『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』住宅ローンの未来はどうなる? アルヒ株式会社の勝屋敏彦さんに問う

『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』住宅ローンの未来はどうなる? アルヒ株式会社の勝屋敏彦さんに問う

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情報番組「大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ」では、残間里江子さん(フリープロデューサー)と、大垣尚司さん(青山学院大学教授、移住・住みかえ支援機構代表理事)が、お金や住まいの話を中心に、大人世代のあれこれを語ります。

2022年6月4日は、ゲストにアルヒ株式会社の勝屋敏彦さんをお招きしました。前後編でお届けしています。

「フラット35」のシェア、堂々のNo.1を誇るアルヒ株式会社が目指す「住み替えカンパニー」事業とは? アフターコロナの住まいトレンドについてもうかがいました。

前編はこちら:住宅ローンのアルヒ株式会社って、どんな会社? 代表取締役社長に直接インタビュー(大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ)

勝屋敏彦さん プロフィール

1965年生まれ。1989年、現在の三菱UFJ銀行に入行。17年間の在籍のうち、およそ半分はアメリカで「証券化業務」に携わる。2006年からは現在のマネックスグループに移り、証券やFX、仮想通貨などを手掛ける。2022年、アルヒの社長に就任。

アフターコロナは、固定金利の見直しが進む

大垣 コロナを経て、ニューノーマルもすっかり定着してきていますが・・・。今後、住宅購入にはどんなトレンドがくるのでしょうか。

勝屋 まずは、固定金利が見直される時期に入ってくるでしょう。
今は、皆さんご存じの通り、短期金利がウルトラローです。

大垣 住宅ローンは現在、変動金利だと0.3パーセント台もザラにありますよね。ここから更に金利優遇などで、実質ほぼ無金利なんて方もいらっしゃると聞きます。

勝屋 ただ、今年になってから金融環境が大きく変わってきていますから、このままの変動金利が続くと考えないほうがベターだろう、と思います。

激動の時代だからこそ、固定金利の強みが生きる

勝屋 アルヒで取り扱っている住宅ローンは、「フラット35」という、35年間金利が固定した商品です。
35年固定金利って、よく聞く単語ですし、一見当たり前のように思えますが、実はこれってかなりすごいことなんです。

今(2022年)から35年前って、1987年でしょう。
ロシアがソ連で、中国がまだ小さくて・・・というような時代です。
35年後に、こんな世の中になることは、なかなか想定できなかったと思います。

大垣 きっと、これから先の35年も、社会だけでなく、人々の価値観や暮らしのトレンドも大きく変わってくるでしょうね。

勝屋 そんな中でも、ずっと固定の金利でお金を借りられるというのは、人生設計の上で非常に重要なファクターだと思っています。

持っていることより、使えることのほうが大事?

大垣 今年から始まった、新しい住宅ローンである「残価設定型住宅ローン」についても、是非お考えをうかがいたいです。

(※)残価設定型住宅ローン:住宅購入から約20年程度で、月の返済額を3〜4割程度に圧縮したローンに借り換えられるオプションと、常にローンの残高で不動産を買い取ってもらえるオプションの付いた住宅ローンのこと。売却にも住み替えにも強いメリットがある。

勝屋 そうですね。アルヒでもぜひ研究できればと思っています。

ものには、所有することの価値(所有価値)と、使うことの価値(使用価値)の二つがあると思いますが・・・。
近年のトレンドとして、より使用する価値を重視される方が増えてきているんです。

大垣 車やスマートフォンなどのそれなりに高い買い物には、必ずリースのプランがありますね。

勝屋 そう考えてみると、家の「使用価値」を重視した購入方法である残価設定型住宅ローンには、これからスポットが当たる可能性は十分にあると思っています。

家にまつわる全てをサポート。住み替えカンパニーを目指して

残間 アルヒのこれからは。

勝屋 昨年からアルヒは、「住み替えカンパニー」を目指して動きを進めています。

皆さんが家を住み替えられる中で、住宅ローンを借りることって、住み替えのごく一部でしかありません。

住み替えをしたいと思ったときって、まず街探し、家探しから始まって、物件を買って、ローンを組んで、引っ越しをして、家具や家電を買って・・・。

このあたりのサービスを全て、ワンストップでご提供できるような会社があっても良い、と考えました。

たとえば、引越し業者をご紹介し、利用いただける場合には優待価格でご利用いただけるとか、そういうことを想定しています。

大垣 前編でお話しいただいた「セレクトショップ」の発想ですね。目利きした商品を厳選して紹介すると。

本当に住みやすい街大賞

勝屋 それから、街探しについては、二つの側面からのサポートを提供しています。

一つ目はアルヒが毎年発表している「本当に住みやすい街大賞」です。
これは、日本全国の街について、
・住環境
・交通の利便性
・教育・文化環境
・コストパフォーマンス
・発展性
の五つの基準から、アルヒの持つデータをもとに、住宅専門家が参画する選定委員会が評価するものです。

大垣 今年(2022年)も発表されているんですね。
1位は辻堂(神奈川県藤沢市)、2位は川口(埼玉県川口市)、3位は多摩境(東京都町田市)ですか。

・・・思ったよりも郊外が選ばれているんですね。
よくある「代官山・吉祥寺・・・」というような「理想の街」ランキングではなく、住んでいる方が本当に住みやすい、と思えるランキングになっているのではないかと思います。

AIを使った診断サービス「TownU」で住みたい街を調べる

勝屋 ただ、これは一般的な評価ですから、ユーザーの方それぞれの好みにフィットするかどうかは分かりません。

そこで、昨年から作ったサービスが「TownU(タウニュー)」です。

これはAIを使った診断サービスで、

・ライフスタイル
・価値観
・勤務地

などの項目を入れていただくと、その人に合ったおすすめの街を無料で三つレコメンドしてくれる機能なんです。

大垣 私も試してみました。街の口コミ情報や、不動産の相場なんかも出てくるんですね。
住み替えの予定がなくても、診断するだけで楽しめます。

人々の暮らしを向上させるための住宅ローン

勝屋 私はこれまでのキャリアを、銀行から証券、そして住宅ローン会社と進めてきました。
そんな中で、これからは、これまでよりもさらに、社会に貢献したいという気持ちが強くなってきています。

どこに、どんなふうに住むかということは、皆さんの人生に関わる、非常に重要な要素です。
そのクオリティを向上させるための一環として、住宅ローン、そして住み替えカンパニーとしてのアルヒがあると思っています。

鈴木 きょうは株式会社アルヒの代表取締役社長、勝屋敏彦さんにお話をうかがいました。ありがとうございました。

一同 ありがとうございました。

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記事の前編では、アルヒ株式会社が一体どんな会社なのか、詳しくうかがっています。

前編はこちら:住宅ローンのアルヒ株式会社って、どんな会社? 代表取締役社長に直接インタビュー(大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ)

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お知らせ

パーソナリティの一人である大垣尚司さんが代表理事を務める一般社団法人「移住・住みかえ支援機構」(JTI)では、賃貸制度「マイホーム借上げ制度」を運用しています。

住まなくなった皆さまの家をJTIが借り上げて、賃貸として運用。
入居者がいない空室時でも、毎月賃料を受け取ることができます。
JTIは非営利の公的機関であり、運営には国の基金が設定されています。

賃料の査定や、ご相談は無料。資格を持ったスタッフが対応いたします。

制度についての詳しい情報は、移住・住みかえ支援機構のサイトをご覧ください。

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