斉藤一美アナに「プロ野球選手のことをもっと知り、凄さを伝えていかなければならない」と思わせた増田達至の凄さ

斉藤一美アナに「プロ野球選手のことをもっと知り、凄さを伝えていかなければならない」と思わせた増田達至の凄さ

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6月17日放送のライオンズナイターを実況した斉藤一美アナに、エースの条件や、抑えというポジションの凄さについて語ってもらった。

目次

  1. ”エース”の資質
  2. 苦しんでいる打者がいつ本調子に戻るか
  3. 抑えという重いポジション

”エース”の資質

この試合で先発した髙橋光成は、8回途中でマウンドを降り、試合後に「投げきれなかったのは悔しい」とコメントを残した。この事について一美アナに訊くと「そりゃそうでしょ。せっかく完投完封ペースでいけたのに」と平然としていた。それもそのはず、ライオンズの投手陣で完投勝利を挙げた投手は7月12日現在、12球団で唯一一人もいないのだ。

この試合の髙橋光成について、一美アナは「この試合、死球が1個あったが四球は一つもなかった。8回の先頭から連打を浴びた場面は解説の東尾さんが『いずれも甘いところにいってしまった』と指摘していて、この場面、得点が0-4だったらまだわからなかったが、7回に杉本にホームランを打たれて得点が1-4になっていたので、この交代は妥当だったのではないかと思う。これで、彼のことを今年は”エース”と呼べない、と僕が感じる理由を確信した」とのこと。なぜか?「去年、彼は完投がない。この試合も完投できるチャンスだった。ゲームを作るし安定感があるのだが、やはりそれだけではダメだと思う。やっぱり味方が点を取ってくれないなら、自分が点を取られないよう粘って完投してほしい。万全のリリーフ陣がいても、リリーフを使わずに勝てるのが理想。ただ、一番白星が望める投手であることは間違いないので、これだけの粘りの投球を見せてくれて、完投も増えてくれれば、気持ちよく来年はエースと呼ぶ」とのこと。”投げ勝つ”だけではなく、”投げ負けない”という資質がエースには大事なのだろう。

苦しんでいる打者がいつ本調子に戻るか

ライオンズが優勝するためには、森と外崎が本来の力を取り戻せるかどうかにかかっていると思う。

まず、森について一美アナに訊くと「リードが良くても、(インタビューをした6月24日時点)自分のバットでピッチャーを助けるまでにまだ至っていない、というのが本人もイライラしてしまうところかなと思う。ただ、残念ながら勝ちはつかなかったものの6月3日神宮球場でのヤクルト戦で髙橋光成とのコンビネーションは最高だった。9番・投手の小川に打たれた一発を除いて、ヤクルトの最重要警戒打者である3番山田、4番村上への攻めは完ぺきだった。山田に対して内角高めを意識させる配球をして、光成もそれに応えていた。光成の今年一番の投球は?と訊かれたら、この試合と答える。それくらい良かった」と答えてくれた。奇しくもこのインタビュー後、特に7月以降、森のバッティングの調子は右肩上がり。チームの勝利も増えてきている。

また、この試合で2本の二塁打を打った外崎についても訊くと「昔から外崎の打つ場面によく遭遇する。よくよく考えると外崎運がある(笑)外崎の良いプレーに巡り合うことが多い」とのこと。ただ、一美アナは外崎に「訊きたくてしょうがないことがある」という。一美アナは「6月5日のヤクルト戦で妙な場面があった。第1打席の2球目に入る直前に体の前でバットを回す動作をした際に、バットをポロっと落としていた。凄く珍しいなと思ったのだが、あれはひょっとしたら脱力を意識していたのかな?と思った。最初は調子悪いのかな?とか、心ここに在らずかな?とそのときは思ったのだが、次の打席でホームランを打った。その後、徐々にではあるが成績も良くなってきているので、この真意を本人に訊きたい」とのこと。こういった細かい事柄に気づくのも一美アナならではだ。

一美アナは「ここまで戦えているのは投手陣のおかげ。あとは、苦しんでいる打者がいつ本調子に戻るか」とし、ボソッと「秋山翔吾欲しいですね」と呟いていたのが印象的だった(ほどなく広島へ入団決定)。

抑えという重いポジション

一美アナは、印象に残った試合として6月11日の交流戦vs広島の2回戦を挙げた。その理由を訊くと一美アナは「本田、古賀、平沼という縁の下の力持ちが三人揃ってお立ち台に上がった。もちろん彼らが活躍したというのは大前提だが、チームが勝たなければヒーローインタビュー自体が実現しない。この試合は本当にギリギリの展開だった。そういった意味で、最後をしっかりと締めた増田達至は素晴らしいと思った。仮に増田が同点に追いつかれていたら、延長に入ってライオンズが勝ったとしても、お立ち台に上がるのはサヨナラ打の選手になってしまう。お立ち台に三人を上げたのは、最後打たれたら終わりという場面で試合を締めた増田だと思う。なんて重いポジションなんだと改めて思った」とのこと。

一美アナは、その試合後に「とてつもない大仕事を、いつも通りやって退けたのは凄いですね!」と個人的にメッセージを送ると増田は「今日三塁側のカメラマン席にいましたね!」と返信してきたという。一美アナは「この試合前、増田へ挨拶していなかったのにどうしてわかるのか増田に訊いてみると『セットポジションに入った時に気づきました』と返信してきた。仮に『一美いるな』と思ったとしても、忘れてもいいはずなのに覚えていた。とてもビックリした。それぐらいの気持ち(=極力平常心)でいられるから、抑えという重いポジションが務まるんだなと思った」と感動していた。最後に一美アナは「プロ野球選手はとても厳しい勝負の世界で生きている。もっともっと彼らのことを知らなければいけない。知った上で、彼らの凄さを伝えなければいけないと思った」と呟いた。

その凄さを知り、凄さを伝えてくれる一美アナの声に、更に耳を傾けたくなった。

文化放送ライオンズナイタースタッフ 高橋大夢

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