「日芽香セレクション」『偽者論』に中元「コミュニケーションを取る時に私がしていたのもこういうことなのかな」

「日芽香セレクション」『偽者論』に中元「コミュニケーションを取る時に私がしていたのもこういうことなのかな」

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『中元日芽香の「な」』が、5月8日(月)午前7時に更新され、「日芽香セレクション」のコーナーで中元が触れた映画や本、漫画から生き方や考え方、カウンセリングのヒントになるかもという作品について紹介した。

今回、中元が紹介したのは、金原出版から2022年9月2日に出版された『偽者論』。著者は精神科医で詩人の尾久守侑氏。尾久氏との対談をきっかけにこの本に触れたという中元は、この本のタイトルについて次のように語る。

中元「タイトルの『偽者論』ってなんぞやってお話で、偽者の「もの」はいわゆる人に使う者ですね。表面上はうまくやっているけれど、自分は本物でなく、偽者であるっていう感覚がいつもどこかにある人たちのことを偽者クラスタというふうに本の中で定義づけて、その人たちに関して書いていらっしゃるっていうそういう本です。」

では、実際に偽者感とは、どの様なものなのか。

中元「この偽者の感覚、まるで自分のことのようだと感じる人は、一定数いらっしゃるんじゃないかな。本物とか偽者っていうのをどのような場面で実感するかっていうと、1番は対人場面ですね。相手が求めているものがわかってしまうタイプの人が、それに合わせた振る舞いをする現象ってあるじゃないですか?あ、今明るいキャラが求められてるなぁとか、仕事ができるピリッとした人が現場に求められてるなぁとか。そういった感じで、相手に合わせて振る舞いをひらひらと変えることができるような人は、これは本物の自分じゃないのでは?とか、本物の自分って何だろう?って違和感が発生することがある。それがいわゆる偽者感だそうです」

この、偽者感を抱えて生きている人に共通している点について、中元は『偽者論』の中から周波数という言葉を例に挙げた。

「この偽者クラスタの人たちに共通している項目を尾久先生がいくつか作品の中であげていました。たとえば周波数を合わせるのが得意とか、世間体・対人への過敏性とか。周波数というとラジオとかPodcastで話すのにぴったりのような気がするんです。自分の聞きたい番組の周波数を正確に合わせないと聞きたい番組が流れてこない。偽者クラスタの人たちは、その周波数合わせを他人とのコミュニケーションを取る際にやるのが上手。相手が発している言葉もそうだし、それ以外の情報、機嫌が良さそうだなこの人とか、こういう人なんじゃないかなみたいなことを瞬時にキャッチして、相手の周波数に合わせに行く。そして自分の振る舞いを変えたり、相手に合わせたりして上手に本当の自分を置いて擬態してしまう。この表現が私にはしっくりきました。コミュニケーションを取る時に私がしていたのもこういうことなのかなって、ちょっと感覚が共感できる気がして。他にもいろいろなワード出てくるんですけど、自分に当てはめてみるとどうかなとか、世の中にはこんな人がいるのかもな、自分にはよくわかんないけど。みたいな話を考えるきっかけになってくれるような気がするんですよね。なので、現代の人間のことを考えるのにぴったりな1冊だなと思いました」

『中元日芽香の「な」』は毎週月曜日午前7時に、Podcastにて更新中。
「過去の配信分もこちらから聴けます」

 

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中元日芽香の「な」

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