国内スマホメーカー撤退相次ぐ GDPシェアを確実に伸ばすための方法とは?

国内スマホメーカー撤退相次ぐ GDPシェアを確実に伸ばすための方法とは?

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6月1日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、木曜コメンテーターで京都大学大学院教授の藤井聡氏と寺島尚正アナウンサーが、国内スマホメーカーの事業撤退に関するニュースについて意見を交わした。

藤井氏「デフレを放置し続けてきた我が国ではこうなりますよね」

5月30日に「らくらくホン」などのスマートフォン端末の製造を手がけるFCNTが経営破綻し、日本の携帯電話メーカーは“風前のともしび”となっている。
先月には京セラなどもスマホ事業から撤退を決め、残った大手のソニーグループも海外勢に押されている。米国のアップルやグーグルなどが大量生産でコストを抑えて製造する高性能端末に勝てず、国内のスマホ市場は実質的に海外勢が独占しそうな勢いである。

FCNTは富士通の携帯端末部門から独立したメーカーで、高齢者らを念頭に使いやすさを重視し、スマホの高性能化が進む中であえてシンプルな端末を提供する戦略を打ち出した。しかし、割安で操作もしやすい海外製スマホの登場によって業績が悪化。帝国データバンクによると、関連会社を含めた負債総額は約1200億円に上る。

寺島アナ「これが現実なんですね、藤井さん」

藤井氏「1200億円の赤字が出るまで頑張ったってことですね、別の言い方をすると。経営が適切だったかどうかは色々な判断があるんでしょうけど、残念ですね。デフレさえ脱却していたら日本のマーケットが大きくなって、技術開発ももっと進んで、コストカットなんて各企業しなくていいわけですから、日本に売るだけでもそれなりに業績が伸びて、企業に体力がついて、技術開発ができて、そうすると海外に対しても魅力的なものを発信できるようになるっていう、いわゆる70年代・80年代に日本がやってきたことができるんですけど、20年・30年とデフレを放置し続けてきた我が国ではこうなりますよね。それはパソコンもスマホもそうだし。全くもって残念です」

国内では今年に入り、バルミューダがスマホ事業からの撤退を表明。さらには京セラが、個人向けスマホ事業からの撤退を表明した。
国内市場でアップルに次ぐシェア2位のシャープは台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業傘下のため、残る国内大手は実質的に「エクスペリア」シリーズのソニーグループのみとなる。

国内企業が苦戦を強いられているのは、世界販売を前提に大量生産を実現した海外勢との競争に勝てないためだという。
スマホの登場以前、国内では10社以上のメーカーがしのぎを削ってきたが、国内向けの開発に注力したため、世界進出には失敗。独特の生態系を持つガラパゴス諸島になぞらえた「ガラケー」の呼称が、その象徴となった。昨年から続く円安や半導体不足などによるコストの高騰も追い打ちとなり、相次ぐ撤退につながった。

最後のとりでとなったソニーはエクスペリアシリーズを国内外で展開しているが、販売は芳しくない状況である。
ただ、ソニーはスマホのカメラに搭載される半導体「イメージセンサー」の金額ベースの世界シェアでは約5割を占めているという。設備投資を拡大し、2025年度に60%のシェア獲得を目指すとしている。

寺島アナ「こういう動きなんですね?」

藤井氏「そうです。国内需要に注力したために滅びてしまう、と。でも、かつては日本のマーケットっていうのは20%近くのシェアを誇っていたわけですよ。ところがいまは5〜6%でしょ?5〜6%のところで商売したってダメだけど、20%のところで商売してたら、外国なんてほっといたって相当強いわけですよ。だから“GDPシェア”というものを僕はいつも言うんですけど、そこを上げられるように頑張りなさいと。
そのためには消費税減税と大型公共投資のセットで10年・20年やっていけばGDPシェアっていうは確実に伸びていくんだよ、っていうことを10年以上訴えかけているわけですが、GDPシェアは右肩下がりで、アベノミクスも結局は全く失敗に終わっているということですね。増税したから」

寺島アナ「GDPの5割以上が個人消費ですからね? そこを刺激しないでどうするっていうね」

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