2017/10/02

高齢男性、半数が飲み過ぎ 「日本酒1日1合以上」

お酒を飲む65歳以上の男性の半数、女性の4分の1が成人の適正飲酒量とされる「1日当たり日本酒1合」以上のアルコールを摂取していることが、厚生労働省研究班(代表、田宮菜奈子筑波大教授)の分析で1日、分かった。このうち適正量の3倍を日常的に飲む「多量飲酒」は高齢男性の約5%に達し、適正量が十分に知られていないことが浮き彫りになった。
 退職や配偶者の死などが飲酒のきっかけになる例もあるとされ、太刀川弘和筑波大准教授(精神医学)は「高齢者の飲酒をいけないとは言えないが、くれぐれも飲み過ぎに注意してほしい」と呼び掛けている。

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みずほ証券チーフクレジットストラテジスト
大橋英敏
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私は、年間300日以上は飲酒をしており、ワイン1本程度/日のペースで飲んでいますので、まだ高齢ではありませんが(笑)、完全に「飲み過ぎ」の部類に入ります。
さて、その私は「適正量」は把握しています。そして、恐らく多くの高齢者が「適正量」を把握していないということではないと思います。では、なぜ健康を害するようなことをするのか。仮説ではありますが、①仕事や人間関係のなかで一定量の飲酒が必要であることや、②飲み過ぎでも明確な健康上の害が生じていないことが影響しているのだと思います。


少し話題が逸れますが、「喫煙」についても同様なことがいえると思います。私的な経験で恐縮ですが、私は2013年まではいわゆるヘビースモーカーでした(セブンスターを30本/日程度の消費量)。健康診断で胃にピロリ菌感染が分かり、駆除のために禁煙をして以来禁煙しております。喫煙していたときに喫煙が健康に与える負の影響を十分に把握していたつもりですが、喫煙を止めなかった一番の理由は、喫煙していても「健康だった」ということです(喫煙者の多くは、自分勝手に喫煙の良さ(例えばストレス解消に良いなど)を強調しがちです)。ここで述べる健康とは、簡単には健康診断で医者の処方をもらうことは無かった、ということです。
しかし、実際に禁煙してみると、如何に喫煙が自分の健康を害していたかを実感しました。私の場合は、胃腸機能の回復が著しく、腹痛や下痢の回数が激減しました(なお、朝の目覚めが良くなったり、食事が美味しくなるという人も多いですが、私はそういう実感はありませんでした)。私にとっては、胃腸の調子が悪くなることで、仕事時間における集中度が低下することがありましたので、本当に大きな変化として実感しました。


飲酒も同様だと思います。飲酒がどのような潜在的なリスクを持っているかを強調するだけではなく、飲酒量を減らすことによる、具体的な事例を含む健康上のメリットを強調すべきなのでしょう。私自身も是非知りたいし、知ることで自分が納得するのなら、飲酒量を減らしたいです。

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