2017/5/05

米下院、オバマケア代替案を可決 上院で修正必至

米下院本会議は4日、トランプ政権が最優先課題に掲げる医療保険制度改革(オバマケア)見直しのための代替法案を賛成217対反対213の僅差で可決した。下院多数派の与党共和党が作成した法案は3月、党内の保守強硬派、穏健派双方の反対で採決直前に撤回に追い込まれたが、今回は土壇場の修正で必要な賛成票を確保した。
 前民主党政権の看板政策であるオバマケアの見直しはトランプ大統領と共和党の共通公約。法案は上院での審議に進むが、上院共和党内には慎重意見が根強く、修正を迫られるのは必至。野党民主党の賛成が見込めない中、成立までには曲折が予想される。

内容を読む
博士(経済学)・帝京大学経済学部教授・慶大経済学部非勤
宿輪純一
145

このオバマケア(医療保険制度改革)の見直しはトランプの選挙公約の一つ。米国の議会制度は日本のそれとは違っていて、法案の修正は通常行われる。この記事のトーンでは焦らせるような文章であるが、修正は通常のことで気にすることはない。

先日ワシントンで確認してきたが、オバマケアは5月に上院が通ることになっている。その後、トランプ政権は10月ぐらいまでかけて「減税」、そして、「インフラ投資」を成立させる予定になっている。この減税に手間が掛かりそうで、今年中にインフラ投資を成立させられればいいがどうだろうか、という状況であった。


また、この内政の進行がうまく行かなくなってくると、貿易赤字の削減、移民の制限、米国内への製造業誘致等の対外政策に注力することになる。


博士(経済学)・大学教授・元三菱東京UFJ銀行企画部経済調査室シニアエコノミスト・映画評論家:宿輪純一

  • URLを
    コピー

このコラムを書いた人

他の人のコラム

関連ニュース