2017/8/23

KDDIのドメイン変更 ezwebからauに

KDDI(au)は22日、スマートフォンなどのメールアドレスで「@」の後に表示し、インターネット上の住所に相当するドメインを変更すると発表した。2018年4月以降、現行の「ezweb.ne.jp」から「au.com」に変える。
 auブランドを一層浸透させるのが狙い。現在、ezweb.ne.jpをメールアドレスに使っている顧客は引き続き利用できるが、au.comに変更もできる。新規顧客にはau.comを適用する。
 ezwebは、KDDIが1999年に提供を開始した携帯電話向けのインターネット接続サービス名。

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東北大学特任准教授・弁理士
稲穂健市
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KDDI(au)がドメイン名を現行の「ezweb.ne.jp」から「au.com」に変えるというニュースについて。表向きの理由は、「auブランドを一層浸透させる」ためとのことですが、「auブランド」が使われるようになったのは今から17年前の2000年。どうして今ごろ切り替わることになったのか、気になった方も多いのではないかと思います。


「au.com」の過去の使用状況を調べてみると、1996年頃は、米国カリフォルニア州の「Ambuehl Ulakey」という会社が「au.com」を使っていたことがわかりました。その後、オーストラリアの「NetRegistry」という会社の手に渡り、現在はKDDIの所有となっています。


ドメイン名は原則として「早く登録した者勝ち」となっていることから、1990年代後半は、有名企業や有名人のドメイン名を先取りして高値で転売しようとする「サイバースクワッター(無断占拠者)」が暗躍しました。そのため、世界知的所有権機関(WIPO)がドメイン名の紛争処理に乗り出し、たとえば、マドンナが「madonna.com」を取り戻すことに成功しています。


今回のケースでは、KDDIが「auブランド」を使いはじめる以前から「au.com」が登録されていることから、KDDIが「au.com」を有償で購入したと考えるのが自然でしょう。果たしてどれくらいの費用がかかったのでしょうか? とても気になるところです。

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