2017/8/04

今春大卒の就職者76% 7年連続上昇、非正規減

今春の大学(学部)卒業生56万7459人のうち、非正規も含む就職者は5月1日時点で43万2088人だったことが3日、文部科学省の17年度学校基本調査(速報値)で分かった。卒業生に占める割合は前年度より1・4ポイント増の76・1%で、7年連続で上昇した。
 就職者のうち契約社員など非正規の人は、前年度より796人減の1万8342人で、割合も0・2ポイント減の3・2%。文科省の担当者は「景気の回復傾向が続いていることで、就職者の割合が増えている」とみている。一方、厚生労働省と文科省が5月に公表した就職率は、97・6%と統計を開始した97年春卒以来最高だった。

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ビジネス数学専門家/教育コンサルタント
深沢真太郎
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記事にあるように景気の回復傾向というのが主たるメッセージでしょう。
しかし、割合(%)という数字には必ず分母と分子があることを考えると、少し教育的な観点での見方が可能です。

ご存知のように、現代は大学の数が多いことによる「ほとんどの若者が大学に入れる時代」です。
私も学生に講義をする機会がたくさんありますが、正直申し上げて「大学生?」という学力の者もたくさんいます。
言い方は悪いかもしれませんが、「大卒」という言葉が欲しくて大学に来ている若者も少なからずいるということです。

学生は減る、大学の数は変わらない、企業が採用に積極的になってきた。
以上の3つの傾向があるとすれば、このニュースのような数字は必然です。
単純に率がアップしているからよいニュースだと考えるのではなく、率がアップしているということは、かつての「大卒」とは質が異なる若者が就職しているという可能性を考えたいものです。

それはすなわち、各企業の若手社員教育の課題がこれからますます膨らみ、教育に予算や時間を割けない企業は徐々に衰退していくことにつながるかもしれません。
このニュースは単に「喜ばしいことだ」だけではなく、「日本ダイジョウブ?」という見方もすべきニュースです。

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