2017/8/08

東証1部上場企業、最高益見通し 18年3月期、円安追い風

東証1部上場企業の2018年3月期の純利益合計が前期比7・3%増となり、過去最高を更新する見通しとなったことが7日、分かった。円安や海外経済の復調を追い風に製造業を中心として業績予想を上方修正する動きが相次いだ。企業業績は一段と拡大しているが、人手不足で苦戦する業種も見られる。
 SMBC日興証券が4日までに17年4~6月期決算を開示した3月期決算企業936社を集計。全体の約3分の2に当たる。今後発表予定の企業を考慮しても18年3月期の純利益は最高益だった前期を上回る見込みだ。
 17年4~6月期の純利益合計は、前年同期比32・6%増となった。

内容を読む
みずほ証券チーフクレジットストラテジスト
大橋英敏
71

記事の見出しは若干誤解を生むものと考えます。確かに円安は日本企業の業績に追い風となりますが(あくまでも全体の話であり輸入超の内需関連企業にとって円安は円建て収益にとってネガティブです)、ドル円相場は昨年12月の直近最高値の118円台に対して足元は軟調に推移していますし、むしろ市場では今後の円高リスクを懸念する声が多いです。
それでも、企業業績は堅調で、2018年3月期に向けて過去最高益を予想する企業も多いです。


この背景には、8月4日記事(NY株、7日連続最高値 米主要企業の業績堅調で)でもコメントしましたが、中国経済をアンカーとするグローバル経済の安定化があります。本邦企業の18年3月期第1四半期決算の特徴は、地域や事業部門に拠らず利益が拡大していることです。つまり、世界中で儲かっているということです。
従って、今後の本邦企業業績を予想するうえで、グローバル経済のアンカーとしての中国がどのようになるのか、とりわけ今年10月に予定されている共産党大会以降の経済政策に最大の関心を寄せるべきと考えます。

  • URLを
    コピー

このコラムを書いた人

他の人のコラム

関連ニュース