2017/6/20

NY株続伸、また最高値 SPも更新、ITが主導

【ニューヨーク共同】週明け19日のニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は大幅続伸し、前週末比144・71ドル高の2万1528・99ドルと終値の過去最高値を2営業日連続で更新した。前週末まで下落基調で推移していたアップルなどのIT株が買い戻され、相場を押し上げた。上げ幅は4月下旬以来、約2カ月ぶりの大きさ。
 幅広い銘柄で構成するSP500種株価指数も20・31ポイント高の2453・46と4営業日ぶりに最高値を更新。ハイテク株主体のナスダック総合指数は87・25ポイント高の6239・01で、上げ幅は昨年11月上旬以来、約7カ月半ぶりの大きさだった。

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みずほ証券チーフクレジットストラテジスト
大橋英敏
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昨日の株高はIT主導というのは事実ですが、背景要因は別のところにあると思います(こういう記事は典型的な「市場の外に居る人の原因と結果の誤解」です)
今週はそもそも米金融当局者の講演が数多く予定されており、昨日のニューヨーク連銀のダドリー総裁の発言にも注目が集まっていましたが、同総裁は金融当局の狙いは「景気拡大を止めるのではなく長期間維持できるよう金融政策を非常に賢明なやり方で引き締める」ことだと述べました。
これが意味することは、米FRBは米国景気に対して「強気」であり、足元で不安視されていた米国の経済環境に対する「見直し」が入ったと考えるべきでしょう。なぜIT株が買われたかと言えば、IT株が最近最も下落(調整)していたからであり、昨日の上げは単なる買い戻しだったと思われます。
個人的には、今週予定されている、他の金融当局者(フィッシャーFRB副議長、ボストン連銀のローゼングレン総裁など)の発言は、金融市場に大きな影響を与えない(=それだけでは、米国景気の先行きに対して確信を持てない)と考えています。引き続き、世界経済をけん引する中国経済の行方に最大限の注目をしましょう。

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