2017/8/04

NY株、7日連続最高値 米主要企業の業績堅調で

【ニューヨーク共同】3日のニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は8営業日続伸し、前日比9・86ドル高の2万2026・10ドルと終値の過去最高値を7営業日連続で更新した。
 これまでに発表された米主要企業の2017年4~6月期決算が全体的に好調で、7~9月期も堅調との見通しから買い安心感が広がった。前日に大幅に上昇したアップルが売られるなど、IT関連株の一角は下げた。
 ハイテク株主体のナスダック総合指数は22・31ポイント安の6340・34と続落した。

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みずほ証券チーフクレジットストラテジスト
大橋英敏
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この記事が注目される理由の一つは、米国のマクロ経済指標がまちまちな状態であるなかの米国株価の上昇への「違和感」だと思います。
米国のマクロ経済指標は「まちまち」です。自動車販売や賃金の低迷はその象徴です。それでも株価が上昇するのはなぜでしょうか。バリュエーションの視点と、マクロの構造変化の2つの視点から考えてみましょう。
バリュエーションの視点からは、米FRBによる利上げが加速する懸念が低下し、長期金利水準が過度に上昇しないとの見方が根強くなったことを挙げることが出来ます。理論的には株価は将来の配当の現在価値の合計値となりますので、金利水準が低いということは、現在価値(株価)にプラスに寄与します。


次に、マクロ構造変化の視点からは、①グーグルやアマゾンに代表される「プラットフォーム」を持つ企業に利益が集中する傾向があること、および②米国企業の多くはグローバル化を加速していること、の2点が重要です。
①は米国経済全体を見た場合の優勝劣敗構造が顕著になっており、勝者の好調な業績が株式市場の時価総額を引き上げています。典型例は、アマゾンと既存小売業の競争でしょう(アマゾンを含むEコマースの発展が既存小売店(特に百貨店などの業界)に大きく影響しています)。世の中の富が特定企業に集中する傾向が強まっているため、比較的勝者側を表象する傾向のある上場株式は、マクロ経済が低迷するなかでも高値推移する可能性があるとも言えます。

②は、中国経済をアンカーとするグローバル経済の安定化により、グローバル展開する米国企業の業績が安定化しています(足元決算発表が続く日本企業の業績も同様に「絶好調」です)。結果として、米国経済の環境とは「異なる」業績が出やすくなっています。

記事もあるように、今後数四半期程度の業績拡大が期待されているため、高値圏であるにも関わらず、今後の株価への不安は小さいです。当然に、現在の株式市場がバブル状態であるとも思いません。

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