2017/9/12

中国、ガソリン車廃止検討 最大市場、日本勢に影響も

【北京共同】中国政府は、原油を精製して得られる物質を燃料とするガソリン車とディーゼル車の生産と販売を停止する時期について検討を始めた。国営通信の新華社が11日までに伝えた。英国とフランスは2040年までにガソリン車とディーゼル車の販売を禁止する方針を表明済み。世界最大の自動車市場である中国が追随すれば、日系メーカーの経営戦略に大きな影響を与えそうだ。
 今回の措置は環境対策の一環で、電気自動車(EV)をはじめとした新エネルギー車の普及を後押しするのが狙い。停止する時期のめどについては触れていない。

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みずほ証券チーフクレジットストラテジスト
大橋英敏
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当件は、既に数ヵ月程前から議論されてきたことであり、自動車業界では周知の事実だったと思われる。
さて、記事にもある通り、この動きは今後の世界の自動車業界の流れを大きく変える可能性があるため留意が必要である。我が国の自動車産業は、内燃エンジンを搭載した車作りで世界最先端の技術と効率的生産、および信頼性を維持するために、非常にすそ野の広い産業にまで実質的な「ケイレツ」関係を構築している。
一方、EVに代表されるような内燃機関を持たない車作りにシフトするとすれば、これまでに築き上げてきた「ケイレツ」関係が「レガシー」になるかもしれない(日産自動車はこの点で先鞭をつけていると言える)。足元のEVを取り巻く技術革新のスピードは著しく早く、「ケイレツ」に技術革新と産業構造転換を求めるには、あまりにも時間の猶予が無い。


我が国の完成車メーカー側は、既にハイブリッド車やEV等の新エネルギー車の製品化に成功しており、技術的側面で中国は当然のこと、欧州自動車メーカーの後塵を拝しているとは思わない。一方、既存の「ケイレツ」関係を重視するあまり、世界の潮流に乗り遅れることで、主要自動車市場におけるマーケティング競争に負けないかが留意点となろう。


幸い(?)にも、世界最大の自動車市場である中国では日本車は総じて不人気で、我が国の完成車メーカーの主戦場は依然として北米である。その北米では、トランプ政権の政策にも表れているが、新エネルギーの普及は当面先になりそうである。このため、我が国の完成車メーカーのEV等への動きは依然として鈍いし、彼らにとってEV等は足元の脅威でもない。

しかし、あと10年もすれば、世界の自動車販売台数の構図が一層中国を中心とした新興国にシフトすることが予想されるなか、技術はあるのに車が売れないというような、我が国のエレキ産業が陥ったような罠にはまらないよう、巨大市場における販売戦略で他国の後塵を拝しないようにしなければならないのだろう。

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