2017/9/26

人工知能活用の個人融資を開始 みずほ銀、ソフトバンクと

みずほ銀行とソフトバンクが共同出資して設立した「Jスコア」(東京)は25日、人工知能(AI)を活用した個人向け融資を始めたと発表した。AIが顧客の収入や預金額、性格といった情報を分析して信用度を評価し、融資可能額を算出する。
 入力できる情報は100種類以上で、情報量が多いほど借入可能額が増える可能性がある。借入可能額は10万~1千万円で、金利は年0・9~12・0%。
 インターネットサイトから利用することができるが、今後スマートフォンの専用アプリも利用できるようになる。

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みずほ証券チーフクレジットストラテジスト
大橋英敏
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個人の信用力評価は、ノンバンク(特に消費者金融業界)を中心にして、相当程度のノウハウの蓄積がされている分野です。トラックレコード(過去のパフォーマンス)も安定しています。
当業界で用いられている一般的な信用力評価は、年齢、性別、学歴、職歴等の項目をスコアにするものですが、項目が多岐にわたることに加え、一定の定性評価が含みます。


一方、大規模な統計処理を行う(ディープ・ラーニングほど複雑ではないと思います)ことで、一定の法則性を見出し、スコアリングをシンプルかつ定量的なものにすることは可能です。当モデルの内容は不明ですが、そういう試みではないでしょうか。
過去に、法人向け融資で同様のスコアリングモデルが流行った時期(リーマンショック前)がありましたが、こちらは残念ながら惨憺たるパフォーマンス(=債務のデフォルトが頻発しました)となり打ち止めとなりました。一方、法人向け融資に比べてデータ量も過去の蓄積も豊富な個人向け分野におけるスコアリングモデルは、恐らく安定的なパフォーマンスを出すと思います。
なお、お金を貸す側にとって安定したパフォーマンスを出す「肝」は、信用力評価の正確性だけではなく、「回収ノウハウ」であることを書き留めておきたいと思います。

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