2017/10/03

枝野氏ら「立憲民主党」を結党 リベラル系結成、民進分裂

民進党の枝野幸男代表代行は2日の記者会見で「立憲民主党」を結党すると表明した。リベラル系の前衆院議員らが参加する見通しだ。民進党は希望の党(代表・小池百合子東京都知事)との合流を決めており、分裂状態となった。衆院選(10日公示―22日投開票)は安倍政権と希望、立憲民主の三極が憲法改正や消費税増税を巡って対立する構図が鮮明になった。自民党(総裁・安倍晋三首相)は改憲案の国会発議を目指すことを柱とする公約を発表した。
 枝野氏は民進党に離党届を提出した。東京都内のホテルで開いた会見で「安倍政権の暴走に歯止めをかけるための大きな役割を果たす」と強調した。

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東北大学特任准教授・弁理士
稲穂健市
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民進党の枝野代表代行が「立憲民主党」を立ち上げました。総選挙を前に混乱が増してきましたね。


これに関連して、「PPAP」の商標を出願していたことで著名となった上田育弘氏が代表を務めるベストライセンス社が既に「立憲民主党」を出願済みであったことが話題となっています(商願2017-024072、商願2017-028975)。


8月10日に私が当番組に出演した際にも、上田氏の会社が「道民ファーストの会」(商願2017-082310)、「県民ファーストの会」(商願2017-082311)、「府民ファーストの会」(商願2017-082312)を出願していたことをご紹介しました。その上田氏、再度の登場です。


ところで、このように商標のことがニュースになる度に、商標が「出願」されただけなのか、実際に商標が「登録」されているのか、この重要な点について勘違いする人が後を絶ちません。今回も上田氏の会社が出願中というだけで、登録になったわけではありませんし、そもそも上田氏はほとんどの出願において出願手数料を支払っておらず、本日時点で確認できる登録数もわずか6件です。


あまり話題とはなっていませんが、「立憲民主党」は、民主党と維新の党が合流した際に「民進党」と共に候補になった党名です。世論調査の結果として「民進党」に決まったことを覚えていらっしゃる方もいるのではないでしょうか? そういった意味では必ずしも「新しい党名」というわけでもないのです。


商標法の細かい規定については説明しませんが、登録を受けるためにクリアしなければならない要件は色々とあり、仮に上田氏が出願手数料を支払ったとしても登録になる可能性は低いと思われます。


そのため私見としては、今のところは、枝野氏が上田氏と交渉する必要性も、「立憲民主党」という党名を変える必要性もないと思います。ですが、いったん世論調査で落選した党名が復活したというのも、正直あまり縁起が良さそうな感じはしませんね。まあ、この党名も一過性のもので終わるのかもしれませんが...。

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