2017/10/20

日産、国内の全車出荷停止 公表後も無資格検査

 日産自動車は19日、車を完成させる国内計4工場で国の規定に反した新車の無資格検査を公表後も続けていたとして、国内で販売する全車両の出荷を停止すると発表した。無資格検査は、既に判明していた日産車体湘南工場(神奈川県平塚市)に3工場が加わり、万全を期すため国内全6工場で出荷を止める。不十分な検査体制のまま出荷し、既に販売した約4千台は国土交通省に追加のリコール(無料の回収・修理)を届け出ることも検討する。
 販売店を含めて日産が抱える約3万台は販売を止め、国内向けの車両の生産も停止する。出荷停止は9月18日の問題発覚後2度目。

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東北大学特任准教授・弁理士
稲穂健市
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日産自動車の「無資格検査問題」が収束する気配を見せません。ついに、問題発覚後2度目の出荷停止に至ってしまいました。


初めて問題が発覚した際、日産は「検査そのものは確実に行われているので問題はない」というスタンスでした。仮に安全性に一切問題がないのだとしても、「完成検査」の資格を社内で認定し、その人に検査をさせれば済むだけの話だったわけですから、なぜこのようなお粗末な事態に陥ってしまったのか理解に苦しむところもあります。


一般的に日本企業では、「この人に任せておけば大丈夫」と、現場でその専門性が認知されていれば、一部の業務を除き、「資格」を持っていようが持っていまいが関係ないケースが多いと思われます。米国のように労働流動性の高い社会であれば、「資格」を持っていなければ、転職の際などに自己の専門性を正しく認識してもらうことはできません。私が米国で働いていたとき、日本企業において、弁護士ではない法務部長、弁理士ではない知財部長、公認会計士ではない経理部長が大勢いることに驚く米国人に何度も会いました。


今回日産で発生した問題は、個人的には、日本社会において「資格」がじゅうぶん社会的に機能していない現実も深く関わっていると感じざるを得ないのです。

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