【ニューヨーク共同】米動画配信大手ネットフリックスが16日発表した2017年7~9月期決算は売上高が前年同期比30%増の29億8485万ドル(約3300億円)、純利益は2・5倍の1億2959万ドルとなり、加入者増で大幅な増収増益だった。
世界加入者数は9月末時点で1億925万人と、6月末時点から530万人増えた。
動画配信分野ではグーグルやアマゾン・コムなどとの競争が激化しているが、ネットフリックスは独自番組を増やす戦略を進めている。この日、18年に番組制作などに70億~80億ドルを投入する計画を明らかにした。
ネットフリックス好調続く 加入者増で純利益2・5倍
1985年、マサチューセッツ工科大学にメディアラボを設立したニコラス・ネグロポンテ所長は、「テレビは有線、電話は無線」、さらに「21世紀のコミュニケーションはすべてデジタル技術を基盤にするものになる」と予測、というより確信していた。
長らく電波に頼ってきたテレビだが、まさにインターネット時代のテレビ局といえるNetflixとHuluの躍進は、テレビ業界が不文律のように持っていた放送局のネットワークを作ってビジネスにするというモデルを破壊してしまった。Netflixの会員である私は、海外のホテルのテレビでログインして、コンテンツを楽しめてしまう。
ネット動画の画質が悪かったのは、もう遥か昔の話のようだ。4K放送波がもたつくのを他所に、放送波より画質の良い4Kコンテンツが、どんどん配信されているのが現状だ。
全世界で1億人を超えた会員たちから徴収される莫大な資金をもとに、Netflixオリジナル・テレビシリーズの一話あたりの制作費は、日本の長編映画をはるかに上回る予算で制作されている。ネットだからこそ正確に測定できるユーザーのコンテンツへの時々刻々の反応をビックデータとして、人工知能からの分析を、脚本に活かしていく。ハイクオリティの映像制作と、人々を惹きつけ続ける脚本で、今や多くの大ヒットテレビドラマシリーズが生まれている。
世界戦略も怠らない、世界的に人気のある日本アニメについても、直接、日本の制作会社へTVアニメシリーズを、国内では考えられない好条件でオファーをしている。日本でのNetflixオリジナルドラマ『火花』の素晴らしさに衝撃を受けた業界人も多い。
インターネットの世界では、先行者のアドバンテージは大きい。しばらくは、Netflixが、順調に発展していくはずである。
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