【ニューヨーク共同】米動画配信大手ネットフリックスが16日発表した2017年7~9月期決算は売上高が前年同期比30%増の29億8485万ドル(約3300億円)、純利益は2・5倍の1億2959万ドルとなり、加入者増で大幅な増収増益だった。
世界加入者数は9月末時点で1億925万人と、6月末時点から530万人増えた。
動画配信分野ではグーグルやアマゾン・コムなどとの競争が激化しているが、ネットフリックスは独自番組を増やす戦略を進めている。この日、18年に番組制作などに70億~80億ドルを投入する計画を明らかにした。
2017/10/20
ネットフリックス好調続く 加入者増で純利益2・5倍


拓殖大学非常勤講師
塚越健司
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ネットフリックスは2017年4月の段階で全世界ユーザーが1億人を越えており、さらにユーザーが増え続けています。
また201年度には制作費に70〜80億ドルを費やすとのことですが、2016年の段階で50億ドルをかけています。これらの金額の大半は他社コンテンツとの契約料であるとはいえ、独自コンテンツにかける勢いは驚くべきものです。
比較のために日本のテレビ局の制作費をみてみましょう。 筆者が他媒体で論じたことですが、2016年度の在京民放5局(日本テレビ、TBS、フジテレビ、テレビ朝日、テレビ東京)の番組制作費の合計は、4154億6400万円です。ネットフリックスは日本の民放の制作費をすべて合わせた額以上の資金を費やしているのです。全世界に向けたものとはいえ、確かに数字だけみれば驚くべきものでしょう。
ちなみに、ネットフリックスは2017年8月、自社主体で多くのアニメを制作すると発表しており、日本のアニメ制作会社と手を組んでいます。良質なアニメを豊富な資金力で制作する一方、日本の放送局はうかうかしているとアニメ制作をネットフリックスに取られてしまいます。グローバル化によってアニメがより世界に発信される中、日本としても対抗策を考えなければならないでしょう。
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