2018/1/19

中国、7年ぶりに成長率が加速 景気対策で前年比6・9%増

 【北京共同】中国国家統計局が18日発表した2017年の国内総生産(GDP、速報値)は物価変動の影響を除く実質で前年比6・9%増となり、成長率は16年から0・2ポイント加速した。加速は10年以来7年ぶりで、政府目標の「6・5%前後」を上回った。堅調な消費や輸出が寄与した。共産党大会前の昨年前半に実施した景気対策も下支えた。18年は一転減速するとの見方が大勢で「第2の経済大国」中国の景気動向は世界経済に影響を与えそうだ。
 17年の10~12月期の実質GDPは前年同期比で6・8%増と、7~9月期から横ばいだった。

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みずほ証券チーフクレジットストラテジスト
大橋英敏
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この記事が誤解を招きやすいのは、中国が公式に発表するGDP統計が、必ずしも正確に中国の実態を表していない可能性があるということです。
実際、実質GDP成長率は2013年あたりから緩やかに低下していますが、日本や米国に見られるような四半期毎の変動がほぼありません。


では、足元の中国経済はどうかと言えば、「絶好調」と表現できると思います。中国は2014年から2016年前半にかけて急速な景気減速をしていたと思われ、逆に2016年中盤以降は急速な景気回復を実現していると思われます。このような実態の一部は、李克強首相が提唱する、いわゆる「李克強指数」を見ても明らかです(2016年~2017年は対前年比10%を超える水準にありました)。なお、中国経済は第三次産業化が著しく、第二次産業の減速を補っているとの意見もあります。


金融市場は、2017年10月に開催された共産党大会後の経済・財政運営を注目しています。具体的には、金融引き締め策により金融システム内に残る過剰な借金体質の改善を目標としています。金融引き締めは、景気に対してネガティブであることに加え、足元は国債利回りや社債利回りの上昇が確認されており、過度な引き締めが実体経済に悪影響を及ぼさないかに注目が集まっています。なお、市場コンセンサスは、過度な引き締めは行われないとしており、概ね楽観的です。

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