2018/2/20

自民・石破氏が9条改憲案 2項「戦力不保持」削除

 自民党の石破茂元幹事長は19日までに、憲法9条に自衛隊の存在を明記する改正私案をまとめ、党憲法改正推進本部へ提出した。2012年の党改憲草案をベースに、戦力不保持や交戦権否認を定めた9条2項を削除して「陸海空自衛隊を保持する」と明記した。自衛隊を巡って国会による統制や、最高指揮官を首相とする規定なども盛り込んだ。
 同推進本部の細田博之本部長が改憲の条文案を19日まで募集すると党所属の全国会議員に通知し、石破氏が応じた。細田氏らは9条2項を維持しながら自衛隊の存在を明記する安倍晋三首相(党総裁)案で党内の意見集約を急ぎたい考えだが、調整は難航しそうだ。

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国際ジャーナリスト
高橋浩祐
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私は石破氏の9条改憲案を支持したい。


現在の日本国憲法には、陸海空の軍隊を持たないと書いてある。戦力を持たないと書いてある。しかし、隊員20数万人を誇る自衛隊は世界有数の軍隊だ。例えば、海自が保有するイージス艦6隻は、アメリカに次ぐイージス艦の多さだ。自衛隊は戦力以外の何物でもない。憲法9条の大いなる矛盾だ。事実上、憲法違反になっている自衛隊は自衛や災害救助、さらには国際平和維持のために必要不可欠で、廃止することなど考えられない。なので、改憲してきっちりと軍隊として認め、さらなる解釈改憲の"のりしろ"や"遊び"をなくしていかなければならない。権力に対し、しっかりと歯止めをかけていかないといけない。今の憲法9条は、国の最高法規にもかかわらず、解釈改憲の連続ですでに形がい化、死文化されてしまっている。


そもそも国を守るために、「軍隊を持ってはいけない」とか「軍隊は持っていない」といつまでも言い続けるのは、いったい国としてあり得るのだろうか。国家として軍隊を持つという当然のことになんでいつまでも反対する人々がいるのか。故・西部邁さんが「対米依存による軍事的安定で、日本人の自立心は蒸発させられてきた」と嘆いておられたのがよく分かる。


北朝鮮の核ミサイル開発や中国の海洋進出など、日本を取り巻く安全保障環境は悪化している。リベラル派が憲法9条の現状維持にこだわる中、このままでは権力者が憲法9条を無視し、敵基地攻撃能力の保有など防衛力強化に向かうばかりだ。解釈改憲は怖い。改憲できっちり歯止めをかけることが必要だ。


私の改憲案はこちら。


9条の第1項 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、侵略戦争はこれを永久に放棄する。


第2項 国際平和の維持と自衛のための戦力として自衛隊を保持する。

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