2018/7/25

岸田氏、自民総裁選に不出馬 3選支持、首相優位に

自民党の岸田文雄政調会長は24日、東京都内で記者会見を開き、9月の党総裁選に立候補しない意向を表明した。岸田派として安倍晋三首相(党総裁)の連続3選を支持する方針も示した。総裁選は首相と、出馬を準備する石破茂元幹事長の一騎打ちの構図を軸に進みそうだ。国会議員票で首相が優位に立つ情勢となっている。立候補に意欲を示す野田聖子総務相は20人の推薦人確保に懸命だが、支持が拡大していない。
 岸田氏は立候補を見送った理由について、西日本豪雨対応や北朝鮮問題、対米外交を挙げ「首相を中心に政治課題への取り組みを進めることが日本の安定にとって重要と判断した」と説明した。

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FNN.jp チーフビジョナリスト
清水俊宏
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岸田さんは、安倍首相が辞めたら次は自分という気持ちでいます。安倍首相を倒して、というよりもバトンを渡してほしい。ずっと外務大臣として閣内で仕事を続けてきたのを、党内を握る仕事の「党三役」にしてもらったのも、総裁選への意欲の表れでした。


「出馬して存在感を示すべき」「戦わない政治家はリーダーではない」「政策論争を活発化させて、総裁選そのものを盛り上げるべき」など岸田さんに出馬を促す声もたくさんありましたが、各種世論調査や情勢調査を見れば今回出馬しても勝てる見込みは極めて低いため、安倍首相を支えることで自身や派閥が傷つかない道を選びました。


まだ野田聖子さんやその他の候補が名乗りをあげるかもしれませんが、安倍首相と石破さんの事実上の一騎打ちとなりそうです。岸田派も安倍支持に回って、議員票では安倍首相がかなり有利になりますが、選挙は何があるか最後までわかりません。総裁選は議員の投票と全国の党員票の合計で争われますが、石破さんとしては党員票を上積みして流れを作りたい。小泉純一郎さんが総裁になった時も、党員票が流れを作りましたが、その時よりもさらに党員票のウエイトが重くなっています。6年前の総裁選では、党員票で石破さんが安倍首相を上回っています。石破さんは今回も地方行脚を重ねていて、今後の政策論争などでさらに存在感を示したい考えです。


秋の総裁選で勝利した候補は、世界が注目する2020年という節目で総理大臣を務めている可能性が極めて高いです。西日本豪雨の復旧対応などの関係で、安倍首相、石破さんも含めて、正式表明はまだ少し先になりそうですが、テレビやラジオなどで様々な動きが今後ますます伝えられますので、ぜひリーダーとして相応しい人を見極めてほしいです。

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