2018/9/20

仕事の過半数ロボットが担う 22年に7千万超の職が消滅か

【ジュネーブ共同】ダボス会議で知られる「世界経済フォーラム」は17日、人工知能(AI)やロボットの開発進展により、2025年までに半数以上の仕事はロボットなどの機械が担うことになると予測する報告書を発表した。22年には7500万の職が失われる一方、自動化で1億3300万の新たな仕事が創出されるとしたが、労働者の再訓練・教育が必要になると指摘した。
 世界規模で展開する300社以上の企業の経営者らに調査し、分析結果をまとめた。
 報告書によると、17年には機械が行う作業時間は全体の29%だが、25年には52%になり、技術革新で職場が大きく変わると予想される。

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人工知能研究者
松田雄馬
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人工知能やロボットの文脈で、「仕事がなくなる」という文言は、良い意味でも悪い意味でも、頻繁に耳にするようになって久しい。本記事にあるように、消滅する職業もあれば、新たに創出される職業もあり、「世界経済フォーラム」の報告は、新たに創出される職業は寧ろ増加することを明示している。これについて具体的に考えてみたい。


産業の新たな創出という意味で、「イノベータ理論」という有名な理論がある。これは、新しい製品やサービスが誕生した際に、最初は僅か数%の「イノベータ」と呼ばれるコアな人たちしか見向きもしないものであっても、新しいものに対して抵抗の少ない十数%の「アーリーアダプター」と呼ばれる人たちが注目し、それに続く「アーリーマジョリティ」と呼ばれる人たちがユーザーとなり、その製品やサービスは、社会に浸透していく。


そして、後発の「レイトマジョリティ―」と呼ばれる人たちが注目する頃には、その製品やサービスは陳腐化し、売り上げも下火になっていく、という、製品やサービスのライフサイクルを、イノベータ理論は教えている。


どんなに息の長いライフサイクルを持つ産業であっても、このように、やがて陳腐化して廃れていく傾向は避けられない。勿論、「人工知能」や「ロボット」というものは、あくまで道具であり、それ自体が産業になるというわけではない。


「人工知能」や「ロボット」という便利な道具が誕生したことにより、陳腐化しかけていた、或いは陳腐化してしまっていた産業に、新たに光が当たり、ライフサイクルが新しく始まると解釈すると、これから「新たに創出される職業」というものが何なのかが理解しやすいのではないかと、私は考える。


「人工知能」や「ロボット」が、あくまで道具にすぎないのであれば、新たに創出される産業は、既存の産業の中から誕生する。それは、道具を使うことができる人だけでも、既存の産業の中だけでも誕生し得ない。両者がお互いを理解したうえで、共生してはじめて、新たな可能性が見いだされるのではないかと、私は考えている。


詳細は拙書「なぜ人工知能は椅子に座れないのか」(新潮社)をお読みいただきたい。
(※上記クリックで開きます。)

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