2017/4/26

今村復興相を更迭 大震災「東北で良かった」と発言

今村雅弘復興相(70)=衆院比例九州、当選7回=は25日、辞任する意向を固めた。同日の自民党二階派パーティーで東日本大震災の被害に関し「まだ東北で良かった」と、被災者を傷つける発言をしたことの責任を取った。4日にも震災を巡り問題発言をしたばかりで、事実上の更迭となる。安倍晋三首相は今回の発言について陳謝したが、政権に大きな打撃。後任には自民党の吉野正芳衆院議員(福島5区)を起用する方向で調整している。野党は首相の任命責任を追及する方針だ。
 閣僚辞任は昨年1月の甘利明経済再生担当相以来で、同8月発足の第3次安倍再改造内閣では初。

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ビジネス数学専門家/教育コンサルタント
深沢真太郎
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当然ながら発言の内容については擁護しようがありません。それが大前提です。


しかし、(この件に限りませんが)「失言」や「不倫」などに関する世の中の反応の仕方には少々気になる部分があります。


100%のうち1%でもNGがあればすべてNG。他の99%はなかったものとする論調です。そもそも人間は不完全なものです。過ちを犯す生き物です。にもかかわらず、そんな人間的な未熟さだけを切り取り徹底的に攻撃する。ありえない100%(完璧さ)を正義として物事を論じている。


局所的な視点になり、全体を俯瞰する感覚が欠如してきているとするならば、危険な兆候のように思います。私の専門である数学は、いわば完璧さの学問です。しかし人間は不完全です。数学のように1%の矛盾や隙もない存在ではありません。


もし現代がたった1%のNGですべてNGとされる世の中なら、誰もチャレンジしないし、誰も何も言わないでしょう。そして自分は何もせず、誰かの「1%のNG」を徹底的に攻撃する。そんな人間ばかりになる。


ビジネスパーソンの教育をしていて、特に若者たちからそんな匂いを感じる。もしかしたら数学教育がそんな人間をつくってはいないか。ちょっとでも間違えたら不正解、という教育は正しいのか。専門家としては考えさせられる事案だ。

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