村上信五くんと経済クン「なぜドイツは原発ゼロを達成できるようになったのか?」

村上信五くんと経済クン「なぜドイツは原発ゼロを達成できるようになったのか?」

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毎週土曜朝9時~放送している「村上信五くんと経済クン」。
8月12日(土)の講師は、科学ジャーナリストで毎日新聞の客員編集委員を務める青野由利さん。
なぜドイツは原発ゼロを達成できるようになったのか?今年4月に脱原発を達成したドイツの秘策を探りました。

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【今年4月15日、ドイツが脱原発を達成】
このニュースを聞いた青野さんは「本当に実現できたんだ」と思った。2015年にエネルギーの大転換の取材にドイツに行った青野さん。国内最大手の電力会社の担当者と話した時に、「個人的には原発はクリーンで優れたエネルギーだと思う。ただ、もう誰が政権をとろうともドイツの脱原発政策は変わらない」という話を聞いた。この時の認識が覆されることはなかったのだなと感じた。
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【どのように脱原発を進めた?】
かつてはドイツも原発を推進していたが、1996年に起きたチェルノブイリ原発事故をきっかけに国民の意見が変わった。1998年に中道左派の社会民主党と緑の党の連立政権ができ、2000年に電力会社と脱原発で合意。2002年には脱原発が法律でも決まり、新たに原発を作ることを禁止。また既存の原発も段階的に閉鎖していくと決められた。2010年、メルケル政権が一度、原発延命を決定したが、これを止めたのが2011年3月11日、東日本大震災の福島原発の事故。そこからメルケル氏は急いで脱原発の方針に戻し、2011年8月には8基の原発を閉鎖させた。また当初2022年までに国内の全原発17基を停止する計画は、ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー危機で延期を余儀なくされたが、脱原発の方針は揺るがず、今年4月、最後まで残っていた原発3基を停止した。
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【ドイツはエネルギーをどのようにして賄っていくのか?】
今のドイツのエネルギーは、風力・太陽光などの再生可能エネルギーが4割、石炭火力3割。ドイツの政府は2030年までに再生可能エネルギーの割合を80%まで引き上げる目標を立てている。
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【おまけ!お子さんも楽しめる科学クイズ!】
毎日新聞で科学に関するコラムを連載している青野先生から、お子さんも楽しめる科学クイズを出題してもらいました!
(問題)
夏になると無性に食べたくなるカレー。その起源は未だに分かりませんが、最近、東南アジアにカレーが入った期間はある研究で分かりました。どれくらい前からあったでしょうか?
(答え)
2000年前。
南ベトナムにあるオケオ遺跡に、スパイスをひいて粉にするための石が残っている。そこに、スパイスに含まれるデンプン粒が付着していて分析してみた。デンプン粒は安定した物質で長期間保存されるため、考古学的資料としての価値が認められている。調査したところ、ターメリック、ショウガ、クローブ、ナツメグ、シナモンなど8種類のスパイスが見つかった。なんとナツメグはまだ香っていたとか。さらに遺跡にある木炭サンプルやナツメグなどを放射性炭素を利用した年代測定法で分析し、2世紀ごろと推定した。
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ドイツのエネルギー政策の話からカレーの話まで、ふり幅広くお話し頂きました。
スパイスってそんなに長期間保存されるんですね…!すごい…!!
坂口愛美

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「経済初心者」の村上信五が、ゲストの方に教えを請いながら 「お金」に強くなってゆく番組です。 「お金持ち」しか持っていない情報を イチ早く皆さんに提供できるよ…

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