村上信五くんと経済クン「直木賞作家・今村翔吾さんに聞く！歴史小説の楽しみ方」

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【直木賞作家　今村翔吾さん】
1984年京都府木津川生まれ。滋賀県在住。関西大学文学部卒業。
2022年「塞王の楯」で第166回直木賞受賞。
小学５年生の時に読んだ、池波正太郎著「真田太平記」をきっかけに歴史小説に没頭。
中学生になると歴史小説家に憧れ、月に30～40冊ほど歴史小説を読み込んだとのこと。
元教師の父親がダンススクールを主宰しており、その跡取りとして20代はダンスのインストラクターとして活動。
ダンスインストラクター時代に、村上さんが出ていた舞台で前座をしていた。
2015年、跡取りを弟に任せ、退路を断って歴史小説家を志し、段ボールをひっくり返した机で歴史小説の執筆を始める。
食べていくために埋蔵文化財の発掘調査員の職を得つつ、１日平均19時間の執筆活動をしたことも。
32歳で待望のデビュー。師と仰ぐ北方謙三氏の教えに従い、2018年から１日も休むことなく書き続けている。
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【ダンスインストラクターから歴史小説家への転身】
ずっと「いつかは歴史小説家になりたい」と思いながらも、後を継いでダンスのインストラクターをしていた。やんちゃな教え子が「どうせ夢なんか叶わない」と話していて、「そんなことない。諦めんなよ」と言ったら「翔吾くんのほうが諦めてるやん」と言われたのがきっかけ。呆然となり、その１ヵ月後にはダンスインストラクターを辞めていた。
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【今村先生初のビジネス書「教養としての歴史小説」】
歴史小説を読んで教養を身につけよう、という本。「歴史小説って難しい」と思っている人にこそ読んでほしい。
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【歴史小説の魅力】
日本人の変わらないところと変わったところが一目瞭然で分かるところ。時代にあわせた比較がしやすい。
だいたい私たちが迷うことは先人たちも迷っていること。先人たちがうまくいかなかったことは違うやり方にする、うまくいったことは同じようにしてみる…など、ビジネス書としても歴史小説はたくさん学ぶことがある。たとえば、武田信玄は最後の最後、事業継承で失敗した。そのあたりも含めてビジネス的に勉強になる。
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【歴史小説と時代小説の違い】
手紙などで決まっている事実は動かせないので、その隙間をいかにフィクションで埋めるか。
フィクションが７割を超えてくると時代小説。
大河ドラマが歴史小説で、遠山の金さんが時代小説。今回は２つあわせて「歴史小説」と呼んでいる。
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【坂口にオススメの歴史小説は司馬遼太郎「新史太閤記」】
豊臣秀吉の成り上がり物語なのでわかりやすい。
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【村上さんにオススメの歴史小説】
⓵司馬遼太郎「割って、城を」
→古田織部が好きということでオススメ。あえて茶碗を割って金つぎをするということと彼の人生を掛け合わせた物語。

⓶城山三郎「雄気堂々」
→渋沢栄一を詳しく書いている。経済と歴史をミックスさせた小説。
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【歴史小説を初めて読むリスナーさんにオススメの歴史小説】
結局、今村さんの本が初心者には読みやすい。小学３年生の読者もいる。特に「イクサガミ」という本はサムライのバトルロワイアルの話。バトルものは山田風太郎さんが開発したジャンルで、実はMARVELより先。世界で一番最初に能力バトルを考えた人といっても過言ではない。「イクサガミ」は山田先生を令和に蘇らせる、という想いで書いた。
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【今村先生の小説の書き方】
今年の春まで７本連載があった。作品ごとに聴く曲のテーマを切り替えて書いていた。大阪系の小説を書く時は関ジャニ∞の曲をよく聴く。
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今村先生には、今回無茶ぶりで歴史小説ソムリエになって頂き、オススメの歴史小説を教えて頂きました。今村先生のお話を聞いていると、歴史小説を読んでみたくなります！さっそく、週末に「割って、城を」を読んでみましたが、短編ですし読みやすかったです！ラストが衝撃的でした！この調子で「新史太閤記」も読んでみようと思います。
坂口愛美