【出雲駅伝直前】駒澤大学・藤田敦史監督 レース前日取材

【出雲駅伝直前】駒澤大学・藤田敦史監督 レース前日取材

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スピードの“出雲”、伊勢路を舞台に大学日本一を決める“全日本”、そしてクライマックスの“箱根”。文化放送では、今年も「学生三大駅伝」を全て実況生中継!

文化放送では「学生三大駅伝」の幕開けとなる第35回出雲駅伝を10月9日(月・祝)午後1時より、解説に上野裕一郎さん(立教大学陸上競技部男子駅伝監督)をお招きし、実況・斉藤一美アナウンサーでお送りします。

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――迷いながらの選考になったか。
「そうですね、本来走ってほしかった選手がいるのも事実なので。花尾(恭輔)であったり、唐澤(拓海)であったり、今回の出雲に関して言えば特に走ってほしい選手であったんですけど、なかなか故障とか、状態が上がらないといったところでメンバーに入れることが出来なかったというのはあるんですけど、このメンバーでも自信を持って明日を迎えられるのではないかなと思っています」

――花尾と唐澤はどんな状態か。
「もう練習はしていまして、練習自体は問題なく出来るんですけど、やっぱりこの出雲に関して言うとちょっとまだまだ練習も足りなかったというところなので、向こう(東京)に残して練習をさせているような状況ですね。花尾に関しては怪我、唐澤に関しても一時期ちょっと怪我とかがあったんですけど、状態が上がらなかったところも含めて、今回はメンバーに入れることが出来なかったという状態です」

――2人のターゲットは全日本になるか。
「そうですね。特に花尾に関しては全日本で絶対に走ってもらわないと困る一人でもあるので、今のところはそこに合わせながらというところですね。唐澤については状態を見てというところになると思います。花尾は夏合宿の直前に仙骨の疲労骨折をして、無理をさせれない状況にあったので、夏の合宿もちょっと慎重にやっていた面もあるので、まだまだ全然状態が上がってきていないということもあるので、今回は連れて来なかったというとことですね」

――それでもエントリーに花尾の名前を入れた。
「そこはやっぱりチームとして、というところが大きいですね。タイム的なところで言えばもうちょっと花尾より走れている選手もいたんですが、彼の今までの大学陸上部に対する功績というところを考えると、彼の名前が一枚入るということで、戦う姿勢を見せるという意味でも、やっぱり花尾の名前を入れた方が良いんじゃないかという意見が選手の側からもあって、それで大八木(総監督)と相談して、『じゃあ入れよう』という話になったというところです」

――同じくメンバー外になった庭瀬(俊輝)について。
「一関ハーフマラソンでも日本人トップで帰ってきて、だいぶ地力がついたなという印象で、5000mも13分台に乗せてきたというのもあるので、非常に今伸びてきている選手ですね」

――篠原(倖太朗)が1区。
「こっちに来る前ですね、金曜日に総監督の大八木以下我々スタッフで話し合って最終的には『これで行こう』と決めました」

――2区佐藤圭汰は連戦になるが不安はあるか。
「そこは一応、本人とも確認をして、本人が『やる』ということだったので、今回は起用する形になると思います」

――前回1区で区間賞を獲得した中央大・吉居大和選手がエントリーを外れている。
「どうですかね(笑)。入って来るのか、来ないのか。我々としては本当に、今回は挑戦者という気持ちで、守りに入るのではなく、挑戦者として来ているので。とにかく攻める駅伝をしたいなというところでこのオーダーを組んでいるので、そういう意味ではどんな相手が来ても戦える布陣ではないかなと思いますし、本当に自信を持って送り込める6人になると思います」

――鈴木芽吹のことも評価されていましたが、去年と比べて人間的な成長という点では。
「やはり、昨年まではどうしてもこう、田澤(廉)の背中を見て、そこに追いつきたい一心で無我夢中でやってしまって怪我したりとか、そういったところがあったんですけど、今回は自分から立候補してキャプテンに就任したことで、チームを俯瞰して見ることが出来るようになったように、自分自身のことに対しても俯瞰して見られるようになって、怪我をする前に練習をセーブしたりとか、そういった工夫がある程度自分の中で出来るようになった。練習自体は大八木(総監督)が引き続きずっと継続的に見ていますけれども、そういった自分自身の考えというものを大八木に伝えながらコミュニケーションを図って、練習を(怪我なく)継続させることが出来るようになったという点が、今季の非常に大きな部分かなと思います」

――そういった点も田澤の影響が大きい。
「そうですね、田澤もそうですけど、前任のキャプテンの山野。田澤のキャプテン像と、山野のキャプテン像、2人のキャプテン像を見てきたんですよ。じゃあ自分が(キャプテンを)やるってなった場合にはどういうキャプテン像でやっていくのかというを彼なりに考えてやってきたなかで、田澤と比べるとまだ本当の『絶対的エース』というところまでは行ってないと思うんです。ただ、本人がそこを目指して、今季はとにかく努力をしたと。そういう自覚が自分の中で芽生えてきているので、本当に今回は楽しみなレースをしてくれるんじゃないかなと思います」

――大八木総監督は「出雲を取るのが一番難しい」と仰っていた。実際、この一戦を取ることで流れを作れるという感じはあるか。
「実際、大八木も27回ですか、三大駅伝を勝っている中で、4回だけなんですよね、出雲を勝ったのは。極端なことを言うと私が学生の時に2回勝っているので、それ以外で2回しか勝っていないんですよ、これだけタレントがいるなかで。2回しか勝っていないというのがそれを物語っているかなと思います。また極端なことを言えば今回、我々は『2年連続三冠』というのを目標に掲げておりますけれど、極論を言うと他の大学は『出雲だけでもいいから駒澤を倒してやろう』という考えのところもあると思うんですよ。ある意味出雲にしっかり合わせて来ている。我々として、全日本、箱根というところを見据えてやらなければいけない。そういったなかで、他大を抑え込んで勝つというのは相当に大変なことなので、どこまでやれるかなというところはあるんですけれど、ただ、さきほども話しましたけれどここまでの準備というのは出来てきたかなというのはある。自信を持って6名、組むことが出来たので、その部分については自信を持って明日を迎えたい」

――理想的なレースの展開は。
「やっぱり3区の終了時点では先頭もしくは前が見える位置でレースを進めたいなというのが理想的なところですね。アンカーに鈴木がいるので追うことは出来ると思うんですけど、相手にもよりますけど、鈴木とはいえ1分も2分も離れて来たら厳しい部分も出てくると思うので、許せる範囲は(先頭からの差)30秒でしょうね。ビハインドで30秒というのがマックスじゃないかなと思います」

――一番意識しているチームは。
「やはり中央大学でしょうね。今回で言えば藤原監督が(佐藤)圭汰シフトということで中野くんを2区に置いてきたように、他大はウチを倒そうとしてきているというのはオーダーを見ても感じる部分は非常に大きいので、その部分では中大がどこまで来るかというところじゃないですかね。ただ、それを凌ぐくらいの力がなければ今季も三冠なんてとても出来ないと思うので、中央大学さんとどこまで渡り合うことが出来るかというのは非常にポイントになるかなと思います」

――昨年の駒澤を超えるという戦いへの挑戦
「春から学生たちが『2年連続三冠』って言ってたんですけど、『三冠、三冠』と言ってしまうと、どうしてもプレッシャーがかかるんですよね。ですから(阪神)タイガースの岡田監督じゃないですけど、少し視点を変えるというか、そういった意味で私は春先からずっと三冠というより、昨年度三冠を達成した田澤擁する最強チームへの挑戦という意味合いを持ったらどうだ? というのを言ってきたんですけど、その中から選手たちが今回、そこに挑戦したいということで一生懸命ここまでやってきて、たぶん明日も一生懸命走ってくれると思うんですけど。まあ、一番緊張しているのは多分監督の僕かなあと思うんで(笑)、選手たちはわりと、今日なんかも調整練習を見ていてものびのびやっているので大丈夫じゃないかなと思います」

――去年までコーチとして来られていた出雲とは違うか。
「いやあ、やっぱりそれは全く違いますね。まず、オーダーを決める時点でかなり悩んで…というところもありましたし、決めたら決めたで『大丈夫かな?』という心配が出てきたりとかあるんですけれど、こればかりは選手たちに頑張ってもらうしかないので。あとは本当に選手たちを信じて待ちたいと思います」

――阪神が「アレ」と言って優勝した姿から感じるものがあった。
「そうですね。やっぱり今の指導者というのはそういうところまで考えていくんだなというのは非常に感じますよね。岡田監督だけではなくて、仙台育英の(須江)監督も同じように『2回目の優勝』とか、そういう言い回しをしていたので、監督さんはみんな色んなことを考えるなと。ちょうど我々も夏合宿の時に甲子園を見ていて、子供たちが変なプレッシャーを抱えることがないように『連覇』ではなく『2回目の優勝』と仰っていて、それが私とまったく同じ考えだったので。青山学院大の原(晋)監督も仰っていましたけれど、やっぱり教育なので、いかにして子供たちを満足させるかというのも大事な視点だと思うので。学生はプロではないので、いかにプレッシャーなく、子供たちを満足させられるかというのも指導者としての一つの役割だと思うので、明日は選手たちにはのびのびと走って貰いたいと思っています」

――ありがとうございました。期待しています。
「はい、ありがとうございました。まあ頑張るのは選手なんで(笑)」

 

◆文化放送スポーツスペシャル 第35回出雲全日本大学選抜駅伝競走実況中継◆
2023年10月9日(月・スポーツの日) 13:00~15:30
解説:上野裕一郎(立教大学陸上競技部男子駅伝監督)
実況:斉藤一美アナウンサー(文化放送)
◆聴き方いろいろ◆地上波FM91.6/AM1134 radiko インターネットラジオ

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