「上を向いて歩こう」だけかかる!? いつもと違うタケスクリプション!

「上を向いて歩こう」だけかかる!? いつもと違うタケスクリプション!

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10月15日の「鷲崎健のヒマからぼたもち」(文化放送)、『タケスクリプション 日曜名曲集』の選曲テーマは「上を向いて歩こう」。いつもとは形を変えて、海外でも広く知られる坂本九さんの「上を向いて歩こう」、その様々なバージョンをお届けしました!

鷲崎健「ご存じ、坂本九さんの『上を向いて歩こう』が1961年のきょう、10月15日にリリース(発売)だったんですね。皆さん知っている話だと思いますけど、『上を向いて歩こう』はその後、海外で(『Sukiyaki』というタイトルがついて)ものすごくヒットして。日本の歌では初めてビルボードで1位になったのかな?

世界中でいろんなカバー・バージョンが存在していて、そのうち何曲かを紹介したいなと。だからきょうは『上を向いて歩こう』しかかかりません! という珍しい回になっております。1曲目はこちら!」

♪「Sukiyaki」/The Andrews Sisters

鷲崎「アンドリューズ・シスターズの1963年の録音です。原曲が1961年にリリースされて、もうそれぐらい人口に膾炙していたといいますか。

アンドリューズ・シスターズは1930年代から~1960年代ぐらいまで第一線のコーラス・グループだったんですね。女性コーラス・グループの草分け的存在で。お父様のレストランが倒産されたあと、10代のころから家計を支えた、本当の三姉妹なんです。

『素敵なあなた』『ラム&コカ・コーラ』など売れた曲はたくさんあります。音楽人生で累計8000万枚以上、売り上げたらしいですよ」

鈴木純子「へえ~!」

鷲崎「87年にはハリウッド殿堂入りして。アンドリューズ・シスターズの主演映画もありましたね。キャリアが長いのでポップスやバラード、いろんな曲を歌っていますけど、小説家の片岡義男さんが『ジャズに興味を持ったのはアンドリューズ・シスターズからだった』と言っています。いわゆるジャズ・コーラスでないにしても、ジャズっぽいアプローチのものから興味を持ちだした、と。続きましてはこちらです!」

「Sukiyaki」Los Tres Reyes

鷲崎「オリエンタルな、といいますか。海外の方が想像するジャパニーズ・エキゾみたいなものとチャイニーズな雰囲気が混ざっている感じが『ぽいな』という感じです。

トリオ・ロス・パンチョスという有名なグループがありまして。そのメンバーがメキシコ(出身)、メキシコで、エルナンド・アビレスさんだけプエルトリコだったかな? メンバーの入れ替えがメチャクチャ激しかったんですけど、そのエルナンドさんが1957年に結成した新グループだったというか。トリオ・ロス・パンチョスは日本のラテンブームにとても影響があったと思います。メキシカン・ハット、ポンチョ、ギターというスタイルは、トリオ・ロス・パンチョスがつくり上げた格好だったらしいですね。良くも悪くも、それが日本においてイメージづいた。日本だけでなく、いろんな国で人気だったんですけど、初来日のとき、ラテンの女王と呼ばれた坂本スミ子さんが前座を務めていた。続きましてグッと有名なバージョンです!」

♪「SukiyakiChet Atkins

鷲崎「エンディング、急に格好よくなった(笑)」

鈴木「格好よかったです!」

鷲崎「それまでは音頭調だったというか。チェット・アトキンスは『Mr.ギター』『ギターの神様』なんて異名もあるスーパー・スター。

やっぱり今のアレンジを聴くと、『Sukiyaki』『上を向いて歩こう』という曲だけじゃなくて……。わかりませんけど、チェット・アトキンス自体は日本の童謡、曲を弾くアルバムも出しているんですけど、音頭や民謡みたいなものが海外、ヨーロッパのほうに少しは知れ渡っていたんですかね。

これが1964年で、ビートルズが『イエロー・サブマリン』を出すのが1968年。ビートルズのアプローチはすごく新しいと思っていましたけど、ひょっとしたらジャパニーズ・オリエンタルみたいなものは向こうに輸入されたあとだったのかもしれません。

ちなみにチェット・アトキンス、子供のころから、割と重症な小児喘息を患っていらっしゃって。横になって眠ることができなかったみたいですね。ギターやマンドリン、フィドルとかを持って、座って寝ていたんですって。文字どおり『寝るときも手放さずに』育ったから、あれだけギターがうまくなったと言われています。続きましてはちょっと新しいバージョンですね」

♪「The First Star / 上を向いて歩こう」/Sister Cristina

鷲崎「2014年3月にイタリアのオーディション番組、『The Voice of Italia』に出演されて、審査員が参加者の声だけを聴いて合否を決定するんですけど、この歌声の人はすごいなと思ってパッと見たら、修道女だったんですね。歌う修道女として有名になりまして、その模様もYouTubeにアップされて1億回視聴されたと言われています。来日もされたことがあるんですって。ちなみにいまは修道女を辞めてレストランで働いているようです」

鈴木「あら、そうなんですか(笑)?」

鷲崎「なぜかはわかりませんけどね(笑)。続いてこのバージョンは、1980年代、テレビCMでもかかっていたので、知っている方も多いでしょう!」

♪「Sukiyaki」/Marlena Shaw

鷲崎「『懐かしい!』という方も多いでしょうね。1987年にコニカカラーのCMソングとして録音されたバージョンでした。マリーナ・ショウはジャズ歌手としてデビュー。1975年に『Who Is This Bitch, Anyway?』という伝説的な名盤を出して、ニュー・ソウルの新しいヒロインとしても脚光を浴びました。

……変な言い方ですけど、恐らく『お金があったんだろうな』というか(笑)。1989年にはレイ・チャールズが『いとしのエリー』を歌って。大物外国人タレントに日本の曲を歌ってもらって、CMで流す、という時代だったんですね。最後はやっぱり、本人のを聴いておきましょう!」

♪「上を向いて歩こう」/坂本九

鷲崎「……本日はいつもとは違う、珍しい形での特集となりました。いかがだったでしょうか? 来週もお楽しみに!」

 

「鷲崎健のヒマからぼたもち」は日曜午後2~4時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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