箱根駅伝 第99回大会ハイライト実況

箱根駅伝 第99回大会ハイライト実況

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コロナ禍で自粛要請が出されていた沿道での応援が3年ぶりに解禁され、応援に活気が戻った第99回箱根駅伝。出雲駅伝、全日本大学駅伝を圧倒的な力で制した駒澤大学の史上5校目となる大学駅伝三冠達成なるかに注目が集まりました。

ストップ・駒澤に向け、各校がどのような滑り出しを見せるか、ポイントとなった1区。関東学生連合チームの主将、育英大学の新田颯(4年)がスタート直後から飛び出し、積極的なレースを見せました。

後続のランナーたちは集団で中盤以降にペースを上げて新田との差を縮めると、残り1キロで明治大学の富田峻平(4年)がトップに立ちタスキリレー。明治大学としては13年ぶりの1区区間賞となりました。
三冠を目指す駒澤大学の1区・円健介(4年)は9秒差の2位で自身の役割を果たしています。序盤に見せ場を作った関東学生連合チームの新田は参考記録ながら3番目でタスキを渡しました。

各校のエースがしのぎを削る2区、駒澤大学の、そして日本学生長距離界のエース・田澤廉(4年)は大会前に新型コロナウイルスに罹患し、不安の残る中でスタートに立ちました。
その中で見せ場を作ったのは三冠阻止の有力候補と目された中央大学・エースの吉居大和(3年)でした。4位でタスキを受けた吉居は2キロ過ぎに田澤をかわすと、トップの明治大学もとらえ、単独首位に立ちます。
しかしここで意地を見せたのが学生長距離界のエースでした。田澤は中盤からペースを上げると12キロ過ぎに吉居を再び逆転。一時トップに立つ力走を見せました。2人のたたき合いになるかと思われた後半ですが、7位でスタートした青山学院大学のエース、近藤幸太郎(4年)が順位を上げ2位を走る吉居に追いつきます。
吉居大和、近藤幸太郎の2人で田澤を追う形を作ると、最終盤に吉居が田澤を逆転。区間賞の走りをみせ、トップで戸塚中継所に飛び込んできました。吉居は駒澤大学の田澤と3秒差、青山学院大学の近藤とは4秒差というデッドヒートを制しました。

続く3区は中央大学・中野翔太(3年)が駒澤大学の篠原倖太朗(2年)、青山学院大・横田俊吾(4年)との差を少しずつ広げ、首位をキープしたまま4区へリレー。駒澤大学の三冠阻止へ10秒のリードを持ちました。

更に差を広げたい中央大学は4区、吉居大和の弟・駿恭(1年)が箱根駅伝初出走。区間記録を上回るペースで走りますが、駒澤大学の鈴木芽吹(3年)は更に上回るペースで吉居駿恭を捉え、トップに立つ……かと思われましたが更にこれを上回ってきたのが青山学院大学の太田蒼生(2年)でした。
3人の競り合いとなった4区後半は最初に吉居駿恭が脱落。駒澤大学・鈴木芽吹と青山学院大学・太田の一騎打ちの様相となりました。ほとんど差がないまま小田原中継所に入ってきましたがわずかに先行した駒澤大学がトップで山上りへ突入。青山学院大学・太田は吉田祐也(第96回、青山学院大学4年)の区間記録にあと5秒と迫る好記録で前回大会王者が優勝争いに名乗りを挙げました。
しかし4区で区間賞を獲得したのは太田蒼生ではありません。当日エントリー変更で4区に入った東京国際大学のイェゴン・ヴィンセントが従来の区間記録を30秒更新する1時間00分00秒という衝撃のタイムを記録。東海大学・佐藤悠基さん以来となる異なる3区間での区間賞獲得、2区・3区・4区で区間記録を樹立という快挙を達成しました。

5区に入ると当日変更で入った駒澤大学のルーキー・山川拓馬が力を発揮しました。青山学院大学・脇田幸太朗(4年)との差をグングン広げると1位をキープしたまま往路のフィニッシュテープを切り、19年ぶりの往路優勝を果たしました。2位には30秒差で中央大学、3位に順位を落とした青山学院大学は首位・駒澤大学と2分03秒の差が開きました。

実質的に駒澤大学と中央大学の一騎打ちとなった復路。駒澤大学の6区は5区の山川に続き1年生の伊藤蒼唯。伊藤は区間賞の走りで2位、中央大学との差を47秒まで広げると、7区・安原太陽(3年)、8区・赤星雄斗(3年)、9区・キャプテンの山野力(4年)がいずれも区間5位以内の力走で着実に後続との差を広げました。

217.1キロの締めくくりはアンカーの青柿響(3年)が区間2位の走りでトップを守り切り、駒澤大学が2年ぶり8度目の箱根駅伝総合優勝を史上5校目の大学駅伝三冠で成し遂げました。

2位・中央大学とは1分42秒差、3位に入った青山学院大学とは7分14秒の大差をつけての優勝。区間賞は6区の伊藤蒼唯のみという中で総合力、選手層の厚さを見せつけ、大会後に退任を発表した大八木弘明監督に最高の花道を作りました。

今回も白熱したシード権争いは9位の城西大学から11位でシード落ちとなった東京国際大学まで1分36秒差。このほか、明治大学、帝京大学といったシード常連校も予選会に回る事となりました。

また、55年ぶりの返り咲きとなった立教大学は、18位となりましたが、スタートからフィニッシュまでタスキを途切れさせることなく大手町まで届けました。

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文化放送新春スポーツスペシャル  第100回東京箱根間往復大学駅伝競走実況中継

文化放送新春スポーツスペシャル  第100回東京箱根間往復大学駅伝競走実況中継

2024年1月2日(月)・3日(火) 7時30分~14時30分

その他の主な出演者

駒澤大学の2年連続学生駅伝三冠&三大駅伝史上最長6連勝か? 阻止するのは2年ぶりのタイトルを狙う青山学院大学か、史上最多97回目の出場・中央大学か、駅伝巧者・…

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