『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』    富を蓄えるより、自分の技を磨こう

『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』    富を蓄えるより、自分の技を磨こう

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情報番組「大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ」では、残間里江子さん(フリープロデューサー)と、大垣尚司さん(青山学院大学教授、移住・住みかえ支援機構代表理事)が、お金や住まいの話を中心に、大人世代のあれこれを語ります。

この連載は、番組内の人気コーナー「おとなライフ・アカデミー2023」の内容をもとに大垣さんが執筆した、WEB限定コラム。ラジオと合わせて、読んで得する家とお金の豆知識をお楽しみください。

★メールまとめ
自分の孫世代にも、昔のように「せっせと貯金しなさい」と勧めていいものでしょうか。

★メール本文
子どものころは「貯金が美徳」みたいな教育をされた記憶があります。
コツコツ郵便貯金を貯めたりするのが奨励されたり。
自分の子どもにも、そう言って育ててきました。
でも最近の情勢を眺めていると…
孫世代には「せっせと貯金しなさい」と言ってもいいのかどうか。
大垣先生はどうお考えですか?

(川越市 改心しないスクルージ さん(65歳))

高度成長のあの頃は…

私たちが子どものころの「貯金は美徳」というのは、日本が成長していた時代の話ですよね。みんなおカネを預けなさい、そのおカネで企業に金貸して、日本が成長するぞ…って。だから、そういう意味ではお国のため、っていうとこがあったんです。
ところが実は、最近もそういうところがあります。貯蓄から投資へとかって。
…なんでそういうことを言ってるかというと、要するにもう、年金が行き詰ってる。原資が豊富にあるわけじゃないから、額が減ってかないといけないのに、長生きするようになっていて、企業の方の年金もおかしくなってきています。

結局は「自助努力」が求められる

自助努力しても…自助努力って言葉は政治家の方は使っちゃいけないんだそうですけど。でも、本音はそういうことなんだと思います。乱暴に言ってしまえば、「もう知らないから」ということですよね。それで「貯金」を奨励して、それをバックアップしていこうというわけです。つまり現在の流れは、政治のため、みたいなところもあるのだろうと思います。そういう意味では「せっせと貯金しなさい」ってという言葉…「貯金」というのはちょっと誤解があって、銀行に預けても増えない時代なので、「貯蓄」一般ですよね。この言葉を使う方がいいと思います。ただ日本も、そうはいってもちょっとずつは絶対成長していきます。ですから、何度も申し上げていますが、あんまり目先の、いわゆる「投資」、ホントは「投機」に入れるのではなく、ちょっとずつ…長期のものはやってたほうがいいだろうと思います。

自分への「投資」が大切

孫の世代にもっと言ってあげて欲しいのは、いつまでたっても働いてないといけない時代になっているということ。おじいちゃんみたいに引退をするってことがない時代に、自分が本当に死ぬまでやりたいことっていうのをいつも頭の中に置きながら、大きな会社にいるときもあっていいし、そのあと自分でやることもある、そんな時代になっているわけです。だから「自分に投資するのが必要だよ」っていうのをぜひ言ってあげてほしいなと思います。どこかに富を蓄えるというよりは、自分の技を磨くことが大切な時代になっていると思います。

今日は「孫世代への貯蓄アドバイス」について考えてみました。
メールをお寄せいただき、ありがとうございます。

大垣尚司 プロフィール
青山学院大学 法学部教授、一般社団法人 移住・住みかえ支援機構代表理事。

第一線で培った金融知識をもとに、住宅資産の有効活用を研究・探究する、家とお金のエキスパート。

東京大学卒業後、日本興業銀行、アクサ生命保険専務執行役員、日本住宅ローン社長、立命館大学大学院教授などを経て、現在、青山学院大学法学部教授。
2006年に「有限責任中間法人移住・住みかえ支援機構」(現、一般社団法人 移住・住みかえ支援機構)の代表理事に就任。
日本モーゲージバンカー協議会代表理事を兼務。著書に『ストラクチャードファイナンス入門』『金融と法』『49歳からのお金ー住宅・保険をキャッシュに換える』『建築女子が聞く 住まいの金融と税制』など。

家とお金に関するご質問、お待ちしてます
番組では、家とお金にまつわるメールやご質問をお待ちしています。
宛先は、otona@joqr.netまで。

※この記事で掲載されている情報は全て、執筆時における情報を元にご紹介しています。必ず最新の情報をご確認ください。

お知らせ
パーソナリティの一人である大垣尚司さんが代表理事を務める一般社団法人「移住・住みかえ支援機構」(JTI)では、賃貸制度「マイホーム借上げ制度」を運用しています。

住まなくなった皆さまの家をJTIが借り上げて、賃貸として運用。
入居者がいない空室時でも、毎月賃料を受け取ることができます。
JTIは非営利の公的機関であり、運営には国の基金が設定されています。

賃料の査定や、ご相談は無料。資格を持ったスタッフが対応いたします。

制度についての詳しい情報は、移住・住みかえ支援機構のサイトをご覧ください。

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楽しいセカンドライフを送るためのご提案などがたっぷり! 金融・住宅のプロフェッショナル大垣尚司と、フリープロデューサー残間里江子が 大人の目線でお届けします。…

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