遠地地震による津波…有川太郎教授「教育が大事」

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毎週日曜朝5時5分からお送りしている「防災アワー」
防災をもっと身近にもっとわかりやすく生活目線でお送りしている番組です。


きのう12月2日(土)午後11時37分にフィリピン付近を震源とする大地震があり、日本の沿岸でも津波が発生。
伊豆諸島の八丈島で40cm、千葉県館山市や和歌山県串本町、高知県土佐清水市で20㎝など、太平洋沿岸部の広い範囲で津波が観測されました
気象庁はきょう3日(日)午前9時に「津波注意報」を全て解除しました
↓ 気象庁資料より


「遠地地震」による津波で甚大な被害が発生することもあります。
今週の「防災アワー」は、国内外の津波の被災状況なども調査している、中央大学・有川太郎教授のインタビューをお送りしました。

「津波研究をリードする存在」といわれる有川先生が津波を研究するきっかけは2004年12月26日のスマトラ沖地震
このときすぐにスリランカに入ったところ、発生場所から遠い場所での大きな被害を目の当たりにされ研究を始めたとのこと。
現地では津波教育がされておらず、多くの人々は頑丈に見えた列車に逃げ込み、列車ごと流されおよそ1000人が亡くなったそうです。
「少しでも知っていれば、きちんと逃げて多くの命が救えた。教育が大事」と話していました。

スマトラ沖地震とは、19年前インドネシア・スマトラ島沖で発生したM9.0と推定される海溝型巨大地震です。
この地震で発生した大津波はインドネシアだけでなく「遠地津波」として、タイ・マレーシア・インド・スリランカ・モルディブ、さらに遠いアフリカ大陸まで到達し、甚大な被害をもたらしました。
内閣府によりますと、被災者は120万人、死者行方不明者は30万人以上に及びました。世界的な観光地のタイのプーケットなども被害に見舞われ、日本人35名が亡くなっています。

有川先生はインタビュー数日前まで、アフリカ・モーリシャスを訪れ研究をされていました。
小さな島国ですが、海面上昇やサイクロンの巨大化による洪水などが問題となっているそうです。
「沿岸部に住む多くの人は高い堤防を嫌がり、数十センチの堤防しかない、高い波が入ってくるとすぐに被害が発生してしまうので、どうすればいいか課題になっている。例えば波を粉砕するサンゴ礁がきちんと発達していれば、その背後の堤防は低くても大丈夫。
そういった自然を保全・活用しうまくやっていけないか検討している」と話してくださいました。
 
12月3日(日)朝5時5分~の「防災アワー」
聞き逃した方は、radikoでお聴きください。

気象予報士 防災士 都庁・気象庁担当記者 伊藤佳子

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