小松左京クロニクル 「日本沈没」を探す旅 特別編 初語り 1月3日(水)放送
半世紀前の幻のドラマ「ここを過ぎて悲しみの都へ」をリマスターして再放送
『文化放送新春スペシャル 小松左京クロニクル 「日本沈没」を探す旅 特別編 初語り』
1月3日(水) 午後3時30分~午後5時45分
文化放送では、12月26日火曜日~28日木曜日に3夜連続で放送する『文化放送年末スペシャル 小松左京クロニクル 「日本沈没」を探す旅』の特別編 初語り」を、2024年新春の1月3日(水)に放送します。
2023年は関東大震災から100年の節目の年でしたが、SF界の巨人・小松左京氏による小説「日本沈没」の発表からちょうど50年でもありました。年末スペシャルでは、文化放送に保存されていた左京の肉声や、親族・関係者らによる貴重な証言などで「日本沈没」という作品がなぜ生まれたのかについて探訪するドキュメンタリーをお送りします。
オーストラリアを取材中の小松左京
さらに新春の2024年1月3日(水)には、年末にハイライトシーンを紹介する1973年芸術祭受賞ドラマ「小松左京原作「日本沈没」より~ここを過ぎて悲しみの都へ」を、ほぼ完全な形で再放送します。なお、このラジオドラマの主人公は、原作には登場しない高階という建設会社に勤めるサラリーマン。原作では、D計画に関わる主人公、田所博士や小野寺らが活躍しますが、彼らと違い、政府の思惑や地殻変動の仕組みもわからないまま、母や娘と生き別れるなど未曾有の大災害に翻弄される市井の男です。小松左京が描いた日本沈没の世界を全く違う角度から捉えるという実験的なドラマでしたが、この年の芸術祭で優秀賞を受賞するなど評価の高いドラマでした。しかし、社内でもその後、この作品のことは忘れ去られたままでした。しかし今回、小松左京の自宅でそのマスターテープが発見されたことから、番組の存在が確認され、半世紀ぶりに陽の目を見ることとなりました。原作とは全く違うドラマと思いきや、ドラマのタイトル「ここを過ぎて悲しみの都へ」は、左京氏が若い頃大きな影響を受けたダンテの「神曲」に由来しているほか、左京の他の代表作に込めたメッセージなども隠し味のように織り込まれた異色作です。
文化放送技術部の上原ミキサーが、ノイズ除去や、放送時に抜け落ちた低音部および高音部の再生に挑戦し、現代的な音に生まれ変わらせました。
文化放送新春スペシャル「日本沈没を探す旅 特別編」のご案内役は、年末スペシャルに続いて喜劇役者で俳優の伊東四朗さんが務めます。さらに半世紀前のラジオドラマで主役を務めた俳優の中尾彬さんや日色ともゑさんが出演。伊東、中尾、日色と名優たちがドラマを振り返るだけでなく、時に「日本沈没」から脱線した新春トークも展開します。実は今回、日色さんは運命的な文化放送出演となりました。去年の暮、コロナ禍で舞台公演を見合わせている時間を使い自宅の荷物の整理をしていたところ、偶然見つかったのが、日色さんが手にしている盾。番組名も書かれておらず何の受賞記念かも思い出せないままでした。しかし、今回文化放送から出演依頼があったことで、この盾の謎が解けたのだそうです。ちなみに日色さんは、新聞記者だった父親が生前文化放送の番組にレギュラー出演していた縁で、学生時代によく当時四谷にあった文化放送に遊びに来ていたそうですが、俳優デビュー後は縁がなく、今回は絶妙なタイミングでの登場となりました。
今も若々しい日色さんの手には、芸術祭を受賞した際に文化放送から贈られた盾が!
伊東四朗と中尾彬
中尾彬さんと伊東四朗さんは、ご存知のとおり伊丹十三監督の「ミンボーの女」などで共演した仲ですが、今回は久しぶりの対面となりました。ラジオドラマのことを覚えているかと聞かれた中尾さんは「全く覚えてないんですよ」とバッサリ。しかしドラマの中で流れる50年前の自身の声を聴きながら、今でもこの声は出せると笑顔で感想を語ってくれました。中尾さんは1973年に小説「日本沈没」が発表された時に小説を読んで、小松左京氏や開高健氏ら関西系作家の「なんでも飲み込んで吸収し、作品に練り上げる」スケールの大きさに驚いたそうです。「日本沈没」の映画化が決定した時、必ず自分に声がかかると思っていたのにそれが無かったことが悔しくて映画は観たかったそう。言葉の端々に役者魂!を感じさせました。ドラマについて、日本沈没について、小松左京について、伊東四朗さんと中尾彬さんが何を語るのか、乞うご期待!
なお、新春スペシャルの後半では、小松左京氏の次男で小松左京ライブラリ代表の実盛氏が出演し、父・小松左京が小説「日本沈没」にこめた思い、そして原作と文化放送のドラマの深い共通点などについて解説をしてくれます。ぜひお聴きください。
【特別番組概要】
■番組名: 『文化放送新春スペシャル 「日本沈没」を探す旅 特別編 初語り』
■放送時間: 2024年1月3日(水) 午後3時30分~5時45分
■案内役: 前半:伊東四朗(喜劇役者) 後半:鈴木敏夫(文化放送解説委員)
■出 演: 中尾彬(俳優)、日色ともゑ(俳優)、小松実盛(左京氏次男)