大阪、広島、鹿児島……。選び抜かれた「方言」曲の数々をお届け!

大阪、広島、鹿児島……。選び抜かれた「方言」曲の数々をお届け!

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2月18日の「鷲崎健のヒマからぼたもち」(文化放送)、『タケスクリプション 日曜名曲集』の選曲テーマは、この日が方言の日であることにちなんで「方言」でした!

鷲崎健「方言の曲はあまりに多すぎて選ぶのも大変だったんですが、各地の方言の曲をいっぱいご用意しました。1曲目、前にもかけたことあるんですけど、聴いてください」

♪「スウィート・ホーム大阪」/ファニー・カンパニー

鷲崎「1972年にシングルが出て1973年のアルバムに入っていたんじゃないかな。(歌っているのは)桑名正博さんですね。とてもお声が若い。後年、この歌を歌っているのを生で見ましたけど、そのときはもっとバビっていましたね。バビるって言葉、僕と友達の間でしか使っていないんですけど(笑)。

東のキャロル、西のファニカンと呼ばれて。矢沢永吉さんのキャロルとライバル関係にあったと言われています、関西ブルース系ロックバンドですね。1stアルバムは、あの中村とうようさんが95点をつけたと。傑作ですね。余談ですけどマイケル・ジャクソンの『スリラー』は0点だった(笑)」

鈴木純子「あれっ(笑)?」

鷲崎「(ファニー・カンパニーは)メンバーが医者の息子とか。大学で組んだんじゃなかったっけ? メチャメチャお金持ち、『二十歳になったらもうやめよう。医者になろう』みたいな人たちで。

ファニカンはアルバム2枚であっさり解散。桑名さんはソロ活動を開始して『哀愁トゥナイト』『セクシャルバイオレットNo.1』などヒット歌謡をバンバン飛ばすようになります。桑名さんには二度ほどお会いして、メチャクチャいい人でしたね! 僕、神戸で震災に遭ったんですけど、そのときチャリティイベントみたいなものに出てくださって。『スウィート・ホーム大阪』を歌って、たいへんバビっていらっしゃいました(笑)。

さあ2曲目……これ、曲のタイトルだけ言って、人を言わないようにしようかな」

「唇をかみしめて」武田鉄矢

鷲崎「『おまえが歌うんかい!』っていうおもしろさがありますね(笑)。あんなに九州弁で歌っていた人が広島弁の歌を歌うわけですから。

武田鉄矢さん主演、皆さんご存じでしょうけど『刑事物語』の主題歌で、どうしても(吉田)拓郎さんに曲を書いてほしいと言って。拓郎さんとは昔からのつきあいなんですよね。昔、

中尾ミエさん、森山良子さんの『ミエと良子のおしゃべり泥棒』というおっかないトーク番組があったんですけど(笑)、そこに拓郎さんが『ひとりじゃしゃべれないから』と武田さんと一緒に出るとか。仲が良かったんです。

そういう関係性の中でできた曲なんですけど、しぶしぶ引き受けてからも打ち合せに来ないとかして、もう間に合わないかと思ったらこの曲が届いて。歌詞を読んだだけで武田鉄矢さんは泣いたらしいですね。(拓郎さんから)『おまえのマネしたよ』という言い方をされたんですって。要は鉄矢さんが福岡弁で歌ったのを俺もやってみた、拓郎さん出身の広島弁で曲を歌ってみた、と。

広島と『刑事物語』って関係ないじゃないか、というスタッフからの反発もあったらしいんですけど、『刑事物語』の1ですね、田中邦衛さんが出られた回のラストシーンを、その曲をかけながら撮影したら、スタッフみんなが撮ったと言われています。……って鉄矢さんのラジオで聴きました(笑)。(武田さんの)『コスモス』というシングルに入っているんですけど、『コスモス』も佳曲というか小さな名曲なのでチェックしてください。

3曲目ですね。大阪弁、広島弁ときて、次は鹿児島弁です!」

♪「なんとなく なんとなく(鹿児島弁)」/ザ・スパイダース

鷲崎「名曲『なんとなく なんとなく』の鹿児島弁バージョン。1968年に公開された映画『ザ・スパイダースの大進撃』内で披露されたバージョンですね。原曲が1966年のヒットで、前作『夕陽が泣いている』に続いてのヒットなんですけど、8枚目のシングルでして、66年はザ・テンプターズもザ・タイガースもデビュー前だったんですね。我々、世代的にGS一緒にしがちですけど。

グループとしては、冒険というと失礼かもしれませんけど井上順さんのボーカルでした。のほほんと言いますか、そういうのをしていた。作曲家、作詞家の先生が書くのが当たり前だった時代に、『夕陽が泣いている』なんかそうですけど、かまやつさんが曲を書いて、詞を書いてヒットを飛ばすという。当時としては珍しかった。

ちなみにスパイダース、映画がおもしろくて。『大進撃』の前に『ゴー・ゴー・向こう見ず作戦』というのがあって、すごくおもしろい(笑)。テレビで見たかわいい子に恋しちゃったメンバーがいて、『どんな人が好きですか?』『まっすぐな人が好きです』というインタビューを見て、家からその子のころまで、建物があろうと海があろうとまっすぐ進む(笑)。

続いては青森弁の曲をお届けしましょう。ネットで何年か前にパッとバズりましたので、知っている方もいるかもしれません」

♪「と・も・子・・・」/吉幾三

鷲崎「1978年の曲ですね。ご本人がこの曲について語られたことがあまりなく、ネットでもいろんな考察があって。『実話なんじゃないか』みたいなことも書かれていて、『いやいや架空の話ですよ』と言っている一文はインタビューの中にあるんですけど。情感があって風景があってドラマがあって、同じぐらい空洞がある曲というんでしょうか。考えずにいられない部分があります。ご一緒されていたこと、あるんですよね?」

鈴木「そうなんです。半年ほど文化放送の番組で。そのときもかけたんですけど、衝撃を覚えたんです」

鷲崎「不思議な歌ですね。かわいそうだけど滑稽で、貧乏くさいのに壮大で。アンビバレンツな何かが、空洞をぐるぐる回っている、みたいな。最後は短いんですけど、こんな曲を聴いてください」

♪「標準語励行の唄」/大工哲弘

鷲崎「昭和11年に沖縄で、本土の文化、思想などを植え付けることを目標とした同化政策というのが行われて、方言が禁止されて。標準語を普及させるために、標準語励行といわれる教育が行われました。方言をしゃべったら罰を与える、みたいな、いまでは考えられない圧政が。もちろん場所や時期によってグラデーションはあったらしいですが。子供は遊びみたいにやっていました、みたいな証言もあるので、一概には言えませんが。

大工哲弘さん、八重山民謡の歌い手であるだけでなく、いろんなミュージシャンとコラボレーションして、世界中の歌を歌っています。とにかく僕は、日本でいちばん歌の上手い人が大工哲弘さんだと思っているんです。『この人だったら何を歌ってもいい、好き』という人が2人いて、大工哲弘さんとレイ・チャールズさんです。アルバムもいろんな種類出ていますし、もちろん民謡も素晴らしいので、調べてみてほしいなと思います!」

 

「鷲崎健のヒマからぼたもち」は日曜午後2~4時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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