テーマは「アメリカ」! 1964年の映画楽曲、安達祐実・奇跡のアルバムの曲などをお届け!

テーマは「アメリカ」! 1964年の映画楽曲、安達祐実・奇跡のアルバムの曲などをお届け!

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2月4日の「鷲崎健のヒマからぼたもち」(文化放送)、『タケスクリプション 日曜名曲集』の選曲テーマは「アメリカ」でした!

鷲崎健1789年2月4日、ジョージ・ワシントンが(アメリカ)初代大統領に選出されたですって。……だからどうだって話ですけど(笑)。じゃあ1曲目、聴いてください!」

♪「アメリカでは」/PIZZICATO FIVE

鷲崎「PIZZICATO FIVEさんと言いましたけど、雪村いづみさんの歌唱ですね。1964年公開の『君も出世ができる』という日本の映画があるんですけど、その劇中歌で。雪村さん、フランキー堺さん、高島忠夫さん、浜美枝さん、中尾ミエさんらが出ていらっしゃいます。日本初のミュージカル映画といわれているんですけど、1964年といえば東京オリンピックがありまして」

鈴木純子「あっ、そうだ!」

鷲崎「日本も世界に通用する国になったんだぞ、世界に負けるな、みたいなことが、なんというか映画上のテーマのようになっていまして。(フレッド・)アステアとかジーン・ケリーみたいな人が引っ張る映画ではないんですが。この曲もそうなんですけど、群舞がとてもカラフルでパワフルで、目で見てとても素敵な映画です。

内容的には出世至上主義、モーレツ社員などの言葉もあった時代ですから、サラリーマン社会の悲哀みたいなものが一応テーマっぽくなっています。フランキー堺さん、フランキー映画を観たことある人はわかると思うんですけど、天才コメディアンだったので。軽さというかミュージシャンとしてのグルーヴ感(がある)といいますか。作品感のペーソス感の湿り気をちょっとなくしているというか、本当にメチャクチャおもしろい!」

鈴木「へえ~!」

鷲崎「DVD持っているんです。残念ながら配信はされていないんですけど、本当に観たほうがいい! 続いてこちらの曲をお届けしましょう!」

「ちょっと来ちゃったアメリカよ!」安達祐実

鷲崎「1996年の『Viva!AMERICA』という、そのものズバリなアルバムからです。安達祐実さん、中学時代最後のアルバムらしいですね」

鈴木「中学……!」

鷲崎「この前に2枚アルバム出しているのかな。94年に『家なき子』、97年に『ガラスの仮面』をやるので、いちばんドカーンと来ているころですね。この曲自体は大槻ケンヂさんの提供曲です。とにかくこのアルバムが、ものすごい人が参加してつくっています。

ムーンライダーズの白井良明さん、カーネーションの直枝政広さん、SPANK HAPPY時代の菊地成孔さん、広瀬香美さん、ポルノグラフィティを手がける前の本間昭光さん、嘉門達夫さん、プリプリ(プリンセス プリンセス)の中山加奈子さん、かの香織さん、高浪慶太郎さん、かまやつひろしさん、サニーデイ・サービスの皆さん……。そしてなぜか、ヘアカット100のニック・ヘイワードの河野伸さんがアレンジして、みたいな。まとまりというか脈絡というか統一感がないメンバーなのに、全体的にはなんとなく良質なアメリカンポップスになっているという、奇跡のアルバムでございます。

安達さんの歌、声……。天才少女・安達祐実なんですけど、歌うと、歌に表情がない。でも逆にそれがいい感じというか」

鈴木「いろんなことが詰め込まれすぎたものに対してニュートラルであると!」

鷲崎「そうです。真ん中にいる主役はストンと、のほほんといるだけ、というのがいい感じというか。ただそれをとやかく言わせない、時代のスーパースター。いるだけで何かが生まれてしまう、そんな良さがありましたね。3曲目、とても素敵な歌です。心をゆっくりさせた状態で聴いてほしい」

♪「大阪ニューヨーク」/城領明子

鷲崎「SLY TRIBESという、関西を中心に活動していたバンドからソロになって、記念すべき1曲目、という曲です。いまはトリオで活動していらっしゃるんだったかな。

僕も曲をつくるんですけど、そのとき言葉をフニャフニャさせる、言葉遊びの中で『これ刺激的でおもしろい言葉になったな。使おう』もあるし、真ん中に言いたいことがしっかりあるけど、わざと迂回する、迂回するルートを見せることによって真ん中にあるものを想像させる、みたいな。いろんなやり方があるんですけど。

何が『ここは大阪のニューヨーク』なのかはわからないし、城領さんのインタビューを読んでもそこは教えてくれていない。でもその周りにある情感、景色みたいなものはいっぱい語られている。真ん中にあるものだけがぼやけている。

なんていうんでしょう、真ん中のものだけが淡いまま届けてくれるから、真ん中に自分の何かを乗っけられるというか。まるで僕の大事な思い出みたいに聴こえてくるといいますか。優れたポップソングってみんなそうなのかもしれませんけど、きっとそこには忘れられない言葉とか約束とか、誰かとの何かがきっとあったんだと思います。では最後、こちらお聴きいただければと思います!」

♪「コカコーラ小唄」/野坂昭如

鷲崎「曲順を間違えたかな、と強く反省をしております(笑)。正式には『コカコーラ小唄~日米修好歌~』というタイトルで、こっち(日本)で勝手につくったCMソングなんです(笑)。

野坂さんが作曲家の桜井順さんのところに行ってヘンテコな曲をつくりまくっていた時代があって、その時代の曲です。ほかにも『バージン・ブルース』とかいろんな曲があるんですけど、我々よりもずいぶん上の人のスターといいますか。文化放送の歌も野坂さんの作詞で」

鈴木「そうです。QRソングね」

鷲崎「『おもちゃのチャチャチャ』も作詞していて。レコード出して、政治家になって、テレビにバンバン出て。『戦後焼け跡派』といっていたんですっけ。文学者という立ち位置からハミ出して。ハミ出しながらも片方の足は文学者で、世間を挑発し続けるといいますか。それが若さの象徴であり、戦後新時代の象徴だったと思うんです。本当のところはわかりきれない部分があるんですけど。ということでいかがだったでしょうか。来週の特集もお楽しみに!」

 

「鷲崎健のヒマからぼたもち」は日曜午後2~4時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

 

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