映画「決断」~運命を変えた3.11母子避難

映画「決断」~運命を変えた3.11母子避難

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毎週日曜朝5時5分からお送りしている「防災アワー」
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ドキュメンタリー映画「決断」~運命を変えた3.11母子避難
先日、試写と記者会見が開かれました。
東日本大震災後、福島を拠点に活動を続ける安孫子亘監督

原発事故による被ばくから子供を守るために、母子避難せざるをえなかった10の家族の証言を、7年の歳月をかけ記録したドキュメンタリー映画です。
震災から13年目、安孫子監督は記者会見で
いつまでこんな3.11のことをやってるんだって、色々な所から言われるかもしれない。でもまだまだ伝えることはいっぱいあると、私は福島にいて思っています」と述べました。
10の家族の事情はそれぞれ…
夫の仕事や収入、住宅ローンなどの事情で、夫は福島にとどまり、母子避難となった家族。
二重生活や避難者住宅支援の打ち切りで、経済的に苦しかったり、震災離婚になった家族もいます。
避難先で何かを変えようと議会議員の選挙に立つ母親や、原発訴訟の裁判で戦う母親もいます。
様々な状況の家族が実名で証言をする姿には人の心を強く打つものがあります。
会見ではこのうちの1人、森松明希子(もりまつ・あきこ)さんも登壇しました。


森松さんは、東日本大震災避難者の会Thanks&Dream代表、原発賠償関西訴訟 原告団代表などをされており、2018年にはスイス・ジュネーブの国連人権理事会にてスピーチしています。
震災当時、0歳と3歳のお子さんを連れて大阪府へ避難され、現在も原発事故被害者の人権について訴え続けています。

↑ こちらは森松さんが書かれた本「災害からの命の守り方ー私が避難できたわけー」(文芸社)
森松さんは「毎日が決断の連続。原発さえなければ福島から大阪まで避難しなくてよかった。そういう人たちがわかっているだけで2万人。数にも数えてもらっていない、いないことにされている人もいる。避難者の人数さえこの国はまともに数えていないです。そんな13年間で何が教訓だ、何が復興だと思います」と。
また「子どもに背負わせてはいけない」と強く訴えました。
当時6歳~16歳だった子供たちが今度は東京電力を相手に自分たちが小児甲状腺がんになった因果関係を認め、損害賠償を求める裁判をおこしている。300人以上のこどもが小児甲状腺がんになっている。因果関係はないと政府は国は主張しているが、もっと報道してほしい」とも話していました。
福島県の専門家会議は原発事故との因果関係は認めておらず、国連の科学委員会も事故との因果関係については否定的な見解を示しています。
一方、裁判で原告側は「子どもの甲状腺がんの最大の発症原因は放射線被ばくであり、年間で100万人に1~2人しか発症しないのに、福島県内では事故後、38万人の子どもから少なくとも293人が発症した」と指摘しています。裁判は長く続くと見られます。
映画「決断」については、来週3月10日放送の「防災アワー」でお送りします。
「決断」は3月8日(金)アップリンク吉祥寺で先行上映され、宇都宮ヒカリ座、沖縄桜坂劇場、フォーラム福島など全国で順次公開される予定です。

さて、きょう3月3日放送の「防災アワー」は、先日東京ビッグサイトで開かれた「防災産業展2024」をご紹介。
現在能登の被災地に無償貸出されている「防災シェルター」と「トレーラーハウス」についてお伝えしました。



さらに、神戸大学名誉教授で、2009年度から石川県の災害危機管理アドバイザーもつとめていらっしゃる室崎益輝(むろさき・ますてる)先生が日本記者クラブで行った記者会見の一部をお送りしました。
室崎先生は、能登半島地震について「前例のない地震」が「前例のない被害」をもたらしたと述べていました。


聞き逃したという方はradikoでぜひどうぞ。

気象予報士・防災士 都庁・気象庁担当記者 伊藤佳子













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