長野智子、手探りで飛び込んだラジオの世界「私の人生を決定付けたのが文化放送」。新番組『長野智子アップデート』インタビュー

長野智子、手探りで飛び込んだラジオの世界「私の人生を決定付けたのが文化放送」。新番組『長野智子アップデート』インタビュー

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4月1日から平日夕方の生ワイドとしてスタートする新番組『長野智子アップデート』
番組パーソナリティを担当する長野智子さんに、文化放送での思い出や、新番組にかける思いなどをうかがいました。

※こちらは文化放送の月刊フリーマガジン「フクミミ」2024年4&5月号に掲載されたインタビューです。

目次

  1. 何もわからないまま飛び込んだラジオの世界
  2. 人生の転機になった偶然の再会
  3. 新番組で「アップデート」したいもの

何もわからないまま飛び込んだラジオの世界

─ 長野さんと文化放送といえば、大学時代にパーソナリティを担当した『ミスDJリクエストパレード』(出演:1982年12月~1983年6月)ですが、ラジオ未経験の大学生がいきなり喋ることになるわけじゃないですか。怖さはなかったんでしょうか?

長野 自分とは全く関係のない世界だったので、わからなさすぎて怖くない、という感じでした。ただ、それが大きな間違いでもあったわけですけど(笑)。

─ 初回の出演はどんな感じだったのでしょう?

長野 拙い喋りで、ところどころで黙ってしまったり、ひどかったと思います。初回からディレクターに怒られました。こんなに下手だと思わなかったんでしょうね。そこから地獄のスパルタが始まります。深夜0時半から3時までの生放送が終わって、その日の放送の反省会。いろいろとダメ出しをされて、いい加減しょんぼりしているところに、「じゃあ今日はマイクの前で100回『ありがとう』って言ってから帰れ」と。つまり、普通にありがとうと言っただけでマイクの向こうに感謝の気持ちが伝わる喋り手がいるんだ、と。でも、当時の私は何を言われているのかわからないし、泣きながらやっていました。

─ それは泣きますね。

長野 そのディレクターさんとは、今では一緒に飲みながら「私の青春をどうしてくれるんだ!」と冗談を言える仲になりましたけど。あと、渋谷公会堂の番組イベントのときに1人で歌わされたこともありました。もうね、“無理ゲー”ですよ!(笑)。

だけど、その一方ですごく嬉しい出来事もありました。私、デュラン・デュランが大好きで番組でもよく曲をかけてもらっていたんですが、あるときレコード会社の方から「ロンドンでデュラン・デュランに会いませんか?」と。すぐ渡英して、アビー・ロード・スタジオでデュラン・デュランにインタビューさせてもらったんです。緊張と喜びで吐きそうになりました(笑)。ただ、結局つらいほうの気持ちが上回って、半年でパーソナリティを終えることになりました。

人生の転機になった偶然の再会

─ その半年で何か得たものはありましたか?

長野 マイクの向こうに「ありがとう」という気持ちを伝えること。私は最後までそれができませんでした。ただ、もしそんな喋り手になることができたら、これから生きていく上ですごく素敵な人になれるかもしれない。いつの日か、そういう人になってみたい。そんな思いが自分の中に残ったことを覚えています。

─ その後、テレビアナウンサーの道へ進みます。

長野 大学 4年生の就職活動のとき、マスコミは向いてないから元々の希望だった英語教師になろうと、教育実習の手続きを進めていました。そんなとき四谷の路上で、あのディレクターさんにばったり会うんです。「おお智子! 何やってんの?」って。学校の先生になろうと思って、という話をしたら、「もったいないな。俺はね、あのメンバーの中でお前がいちばんアナウンサーに向いてると思ったから厳しくしたんだ」と。驚愕ですよね。なんなら「あなたに散々叱られてこの世界を断念したんですけど」というぐらいの気持ちなわけで(笑)。でも、その言葉を聞いて、「あれ!? まだこの選択肢があるのかな…」って。それが人生の転機でした。メディア系の募集を見たら、1 社だけフジテレビが残っていて。その試験に受かったんです。

だから『ミスDJ』で得たものは、やり遂げられなかったという後悔と、アナウンサーの道へ進むきっかけをいただいたことですね。この経験がなかったら今の自分はないと思っています。

新番組で「アップデート」したいもの

─ 今回の新番組のオファーが来たときの心境を教えてください。

長野 アナウンサーの道に進んだ後は主にテレビの世界で過ごしてきましたけど、一周まわって、文化放送でまたこういう機会をいただけて。人生長く生きていると本当に何が起こるかわからないと思いましたし、『ミスDJ 』のときにやり残したことのリベンジマッチなのかなとも感じています。私の人生を決定付けたのが文化放送だったので、その恩返しにもなるのかなという思いもあります。「ここでもう一度、文化放送で喋らせてくれるんだ!」って。ミラクルですね。

─ 番組名の「アップデート」という言葉を長野さんとしてはどう捉えていらっしゃいますか?

長野 プロデューサーの方が「長野さんのこれまでの人生から浮かんできた、仮のタイトルなんですけど『アップデート』というのはどうでしょうか」と。もうそれだけで嬉しいじゃないですか。すぐ「それでお願いします」とお返事しました。

私たちの世代は、20 代の頃にバブル経済を経験した新人類世代なんですけど、この世代ってまさに「アップデート世代」だと思うんです。小学生の頃は『ちびまる子ちゃん』に描かれているような時代で、デジタル機器なんて身近にありませんでした。その後ファクスが普及し始めたとき、「なんで紙が電線で送れるの?」って不思議に思っていたぐらいですから(笑)。それからポケベル、お弁当箱みたいな携帯電話、Windows95、iモード、インターネット、スマートフォン、といった時代ごとのテクノロジーに次々と適応してきたわけです。最近の若い人たちは生まれたときからスマホやタブレットがあって「デジタルネイティブ」と呼ばれていますけど、それに比べたら私たちは「手動アップデート世代」ですね(笑)。この先どんな新しいテクノロジーが出てきても、そのたびに自分の中のOSをアップデートしていけるというか、そういう意味での「強さ」がある世代だと思っています。

─ 最後にリスナーの方に向けて、特に同世代の方たちに向けてメッセージをお願いします。

長野 「お待たせしました」という感じですね。現代のマーケティングが若い世代中心に行われてきた中で、いまひとつ満足するコンテンツに出合えていない同世代の人たちは多いんじゃないかと思うんです。私たちの世代は「よく働き、よく遊ぶ」世代だとも言えるので、そういう元気な大人たちが今の社会に対してできることはまだまだたくさんあると思います。大人の世代が楽しそうに活躍している姿って、若い人たちの背中を押すメッセージにもなるでしょうし。だから、「この番組で、若い人たちから憧れられるような大人にアップデートしていきましょう」とお伝えしたいですね。

インタビュー完全版はこちら!

【vol.1】https://www.joqr.co.jp/qr/article/118175/

【vol.2】https://www.joqr.co.jp/qr/article/119356/

【vol.3】https://www.joqr.co.jp/qr/article/119897/

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