「間違いなくそうなるんですよ、このままだったら」全国4割超の744自治体が「消滅可能性」

「間違いなくそうなるんですよ、このままだったら」全国4割超の744自治体が「消滅可能性」

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4月25日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、木曜コメンテーターで京都大学大学院教授の藤井聡氏と寺島尚正アナウンサーが、744自治体の「消滅可能性」に関するニュースについて意見を交わした。

藤井氏「デフレ脱却して、地方にしっかりインフラを作ればよい」

民間有識者らで作る「人口戦略会議」は、全国の4割以上にあたる744自治体が、若年女性人口の大幅な減少に伴って将来的に「消滅可能性がある」とする報告書を公表した。「少子化の基調は全く変わっていない」として、各地域の実情に応じた対策を求めている。

報告書は、国立社会保障・人口問題研究所が昨年12月に発表した地域別将来推計人口を基に、出産の中心世代である20~39歳の女性人口について、2020~50年の減少率を推計。減少率が50%以上の自治体を「最終的には消滅する可能性が高い」とした。東北地方が165自治体と最も多く、北海道117、中部109が続いた。

寺島アナ「藤井さん、これはどうご覧になりますか?」

藤井氏「まぁそうでしょう。この問題もずっと増田寛也さんが言ってて、間違いなくそうなるんですよ、このままだったら。ただ、この対策は科学的・技術的に考えれば簡単なんですよ」

寺島アナ「あっ、はい!」

藤井氏「まず、人口減を食い止めること。それと同時に東京一極集中を食い止めること。これなんですよね。出生率を上げるためにはどうしたらいいかっていったら、若年層の所得を上げればいいんですよ。だからデフレを脱却すればいいだけの話なんですよ。デフレ脱却をちゃんとすれば東京一極集中も実は緩和するんですよ。デフレだから東京でしかビジネスができない会社が増えているので、東京一極集中が進んでいるっていう側面があるんですよ。だからデフレ脱却をすればいい。これが一つです」

寺島アナ「はい」

藤井氏「で、もう一つは地方にしっかりとしたインフラを作ればよい。もう東京ばっかりですからね、インフラが作られているのは。たとえば福井は人口減少で衰退していたんですけども、北陸新幹線ができたら駅前なんてものすごく活性化してるわけで。ちょっと前だったら金沢なんてものすごい発展してるし、高速道路を作ったら高速道路の周辺に工業団地がいっぱいできたりする現象がいまだにずっと続いてるんですよね。
だから、地方にしっかりインフラ作ればよい。デフレ脱却をして地方にしっかりインフラ作ればよいという、普通の国家であれば当たり前のことをすればよいだけなんです。そしたら消滅自治体っていうのはグッと減って、この半分とか3分の2は救われることになります。場合によっては全て救われるでしょうね」

寺島アナ「はぁ〜!」

藤井氏「ところが岸田政権をはじめとして、そういう当たり前のことを一つもしてないんですよ。東京一極集中なんて安倍内閣が誕生した時に年間10万人以上が東京に吸い込まれていたんですよ、人口が。これをゼロにするっていう目標を安倍さんが掲げたんですけど、初期はアベノミクスの影響でちょっと減ったんですけど、財政政策をしっかりやってデフレ脱却しそうだったから。
ところが消費増税を2回やっちゃったでしょ? そしたらまたデフレが加速するんですよ。東京への人口集中がまたすごく進んでしまって。で、岸田さんの時代でもそれをずっと継続してるので、いまや10数万人ずつぐらい東京に人が集まっている」

寺島アナ「そうなんですねぇ」

藤井氏「で、全国で人口減ってるでしょ? 地方は基本的な人口も減るわ、東京に人取られるわ、これはもう消滅するしかありまへんみたいなことになってるんですよね。普通の途上国でもこんな状況は放置しないですよ」

寺島アナ「いまの藤井さんの話聞いて思いましたけど、やっぱり経済の大本からしっかり立て直さないと、すべてに影響していくよっていうことですよね」

藤井氏「まったくその通りです」

「おはよう寺ちゃん」は平日朝5~9時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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