『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』　　　　やっぱり金は「買い」？

★メールまとめ
金の値上がりで、パチンコの景品も買取価格が上がりました。やはり金は「買い」でしょうか。

★メール本文

私はパチンコをやらないのですが、パチンコ好きな友人が、景品の金を換金しないで手元に置いておいたら、11月まで1個4000円だったのが、12月から6000円、なんと1.5倍に値上がりしたそうです。
8個貯めていたその友人は、1日だけ換金しなかったおかげで何もせず1万6千円の儲け！
大垣さん、今からでも、金、買っておいた方がいいんでしょうか。
（練馬区　あっこパパ　（50歳））

金そのものを買うよりも…
いま世界のあちこちで戦争が起きていますよね。こういうときは、金は確かに上がります。金が上がるときって、あまりいいときじゃないのかもしれません。おそらく当面、あまり下がることはないのではないかと思います。以前、金に関する国際調査機関、「ワールド ゴールド カウンシル」の日本代表・森田隆大さんをゲストにお迎えしたときもお話しましたが、金のホンモノを買うとなると、たくさん買わないといけなくなるので、いろいろ大変です。

「金ETF」という選択肢
そこで考えられるのが、金そのものではなく、金をたくさん持っている株の会社を買ったりすること。簡単なところでは「金ETF」という商品があります。これは、金そのものの市場価格に連動して値動きをする投資信託（Exchange Traded Funds、上場投資信託）なので、これならそんなに大きな額じゃなくても金に投資することができるわけです。たとえば私が調べたところでは（2023年12月）、一口2万7千円。ただ50口ぐらいからしか買えないところが多いようなので、100万円以上は必要なのですが…。

ミャンマー人はゴールド好きが多い
最近は金の仏具もよく見かけますね。一時期仕事でミャンマーに通っていましたが、あちらは金がお好きな方が多く、信心深い方だと家に電気も通ってなかったりするのに、お金を貯まると金箔を買って、仏様に貼りに行ったりするんです。
さらに余談ですが、私の親戚で、京都の西陣で丁稚から叩き上げた方がおりました。ほとんど楽しみもないのですが、この方が金の延べ棒を買って隠すのが好きで…畳の下に隠していらっしゃいました。今はそういう時代でもないので、金ETFなど買われる方がいいと思います。

今日は「金の買い方」について考えてみました。
メールをお寄せいただき、ありがとうございます。

大垣尚司　プロフィール
青山学院大学　法学部教授、一般社団法人　移住・住みかえ支援機構代表理事。

第一線で培った金融知識をもとに、住宅資産の有効活用を研究・探究する、家とお金のエキスパート。

東京大学卒業後、日本興業銀行、アクサ生命保険専務執行役員、日本住宅ローン社長、立命館大学大学院教授などを経て、現在、青山学院大学法学部教授。
2006年に「有限責任中間法人移住・住みかえ支援機構」（現、一般社団法人 移住･住みかえ支援機構）の代表理事に就任。
日本モーゲージバンカー協議会代表理事を兼務。著書に『ストラクチャードファイナンス入門』『金融と法』『49歳からのお金ー住宅・保険をキャッシュに換える』『建築女子が聞く 住まいの金融と税制』など。

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