わずか半年で支配下!強心臓ルーキー水上由伸『四球で崩れることはない』【若獅子インタビューvol.5】

わずか半年で支配下!強心臓ルーキー水上由伸『四球で崩れることはない』【若獅子インタビューvol.5】

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四国学院大学から育成ドラフト5位で入団した水上由伸。
大学3年から投手に転向した右腕だが、マウンド上で気持ちの切り替えができる強心臓の持ち主で、打者の内角も強気で攻めるピッチングが魅力だ。自他ともに認めるポジティブ思考でチームのムードメーカー的存在でもある。

今回は、晴れて5月13日に支配下登録契約を結び、背番号も二桁の『69』となった水上が、今、どのような課題と向き合い、さらなる飛躍を目指しているのか、に迫った。

持ち球は直球、カーブ、スライダー、カットボール、シュート、フォーク。制球力には自信があると話し、「フォアボールで崩れることはないですね」と言い切る。「打たせて取る、(味方の)攻撃にいいリズムでつなげられるようにと思っていつも投げています」と自身の投球スタイルを語る水上。現在は中継ぎでの登板が主だが、いずれは先発投手として活躍することを目指している。

「でも正直なところ、先発って難しいなぁと思ってしまったんです」とこぼしていたのは5月の上旬のことだった。アマチュア時代は打者の技術にバラつきがあったが、プロの世界ではそうもいかないのが大きな違いだ。4月は一軍での実績のある選手との対戦もあったが、甘いところに入ればことごとく打ち返された。初めての経験ばかりでプロ1年生には精神的にも肉体的にも負担が大きい。今、少し弱気になってしまっている胸の内も明かしてくれた。

ここまで15登板の水上だが、4月6日、CAR3219フィールドで行われた北海道日本ハムファイターズ戦では、1点リードで迎えた最終回、武隈から二死でバトンを渡されるも5失点。その裏、チームは得点できず逆転負けを喫した。初めての大量失点に「あの時の5失点はさすがに堪えました。甘く入った球もありましたが、うまく打たれたという感じです。僕は決め球がないので、落ちる系のボールを自信を持って投げられない事が要因だと思っています」と振り返った。

1年目から支配下登録を目指し、そのつもりでマウンドに上がっていた水上に吉報が届いたのは5月12日の夕方。強気な性格と、しっかり打者と対峙して、ストライクゾーンで勝負することができる点が評価され、入団から半年経たずして支配下選手となった。渡辺久信ゼネラルマネジャーも「本当に強気な性格。ただこれは、とても大事なことで、(今後一軍の)試合の中でも打者のインコースに投げることができると思う。ボール自体も強く、変化球も多彩なので、これから戦力になってくれる」と期待を寄せた。

一方で、会見当日はチームの練習日だったが、いつもと変わりなくやり過ごすのが精いっぱい。練習中、終始笑みがこぼれ、吉川光夫投手から突っ込みを受けるほどだった。公の取材は新入団選手記者発表会以来だったが緊張する様子はなく、持ち前の明るさで会見を終えた水上。「支配下選手契約を結んでいただき、素直にうれしいです。さらに身が引き締まる想いです」と素直に喜びを口にした。ただ、ここがゴールではない。「コントロールには自信がありますが、打者の内角を攻めていけるところを評価していただいたのではないかと思います。一日でも早く一軍に上がることが今の目標です」と今後の活躍を誓った。

◆インタビュー後記◆

笑いの絶えない取材時間でニコニコハキハキとこたえてくれる水上投手。だが、アクティブに見えて実は休日は『1日中Netflix』だというインドア派。ホラーにサスペンスにアニメと、鑑賞のジャンルは幅広い。リフレッシュ法はカラオケ。若獅子寮でもいたるところで水上の歌声が響いているのは有名な話。歌手では長渕剛さんや吉川晃司さんが好きだとういう。

【水上由伸(みずかみ・よしのぶ)投手プロフィール】
1998年7月13日生まれ(22歳)/176㎝・81kg/右投げ右打ち/長野県出身/宮田村立宮田中学校~帝京第三高校~四国学院大学/2020年育成ドラフト5位で西武入団

【過去の若獅子インタビューはこちら】
◆第1回=山村崇嘉選手(4月20日更新)
◆第2回=仲三河優太選手(4月23日更新)
◆第3回=豆田泰志投手(4月26日更新)
◆第4回=大曲錬投手(5月7日更新)
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