
自民党・鶴保氏の「運のいいことに能登で地震」失言はなぜ起きた?
7月10日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、木曜コメンテーターで京都大学大学院教授の藤井聡氏と寺島尚正アナウンサーが、自民党・鶴保庸介参院予算委員長の発言に関するニュースについて意見を交わした。
藤井氏「『幸か不幸か』っていう日本語を言いそびれて『運のいいことに』になったんでしょうね」
参院選和歌山選挙区の自民党候補者の個人演説会で、「運のいいことに能登で地震があった」と発言した鶴保庸介参院予算委員長が9日、和歌山県庁で記者会見し、「思った発言では全くない。言葉足らずであったと同時に、被災地の苦労を考えると、例示として出すのに適当だったか、深く考えなければならない。陳謝の上、撤回する」と述べた。
鶴保氏は能登半島地震で被災した石川県輪島市の住民が避難先の金沢市で生活し、被災地と行き来するケースなどを、自身が進める都市と地方の「2地域居住」の例として挙げ、地震をきっかけに議論が進んだことを説明しようとしたとみられる。
寺島アナ「能登半島地震をきっかけに、被災者が居住地以外で住民票の写しを取得する手続きが簡単になったという話題に触れた際に『運のいいことに』と発言したわけなんですが、鶴保氏は議員辞職や離党は否定しています。藤井さん、これはどう感じてらっしゃいますか?」
藤井氏「いまの説明でも何でこんな言葉を言ったのかわかんないですよね。これはどういうことかっていうと、時間がないのでAIを使って調べて『なるほど、そういうことか』とは思ったんですけど、2地域居住っていうのがあるんですよね、都会の人が田舎にも住むみたいな。それは国として制度を作って進めているんですよ。で、その時に『この制度にとって運のいいことに地震があって、能登半島の地震のおかげで2地域居住する人が増えた』ということを言ったんですよね」
寺島アナ「はぁー」
藤井氏「だから何が運がいいかっていったら、『この制度を拡大していくにあたって運のいいことに』っていうことだったんですよね。何の条件もなしに『運のいいことに地震が起こった』と言っているわけではないんですよね。まず、だから『なんでこんなこと言ったんだろう?』って僕は思ったんで調べたんですけどね、ニュースをサーっと調べてもよくわからないですよね。いまの寺島さんの言った説明でもイマイチよくわからないです。『2地域居住の例として挙げて地震をきっかけに議論が進んだことを説明しようとした』って意味もわかんないじゃないですか」
寺島アナ「えぇ、えぇ」
藤井氏「だからね、僕はまず何が言いたいかっていうと『じゃあ、なんでこんなこと言ったんだろう?』っていうことが気になったんですよ。それで2、3本の記事を読んでも書いてないんですよ。しかも寺島さんの説明でも、台本書いた人の説明ではわからないですよね。そしたら何かどっかにもっと詳しく書いた記事があって、それをAIが見つけてきたんですよね。それで初めてわかったんですけど。だからこれ弁護しているわけじゃなくて、これ言おうとしているのは『幸か不幸か、能登半島地震があって、そのきっかけに2地域居住が増えたっていうのがあって、この制度が知られるようになったんですよね。まぁ誠に残念なことですが』みたいな『幸か不幸か』っていう日本語を言いそびれて『運のいいことに』になったんでしょうね。僕は今これ弁護しているんじゃないですよ。鶴保さんがなぜこれを言ったのかっていうのを解説してるんです。これはだから『七面倒臭い日本語を外国人に教える』とかっていう話とかと全然レベルの違う失言だと思いますね。失言は失言ですけど」
寺島アナ「鶴保さんもそういう意味で言ったわけじゃないっていうのは、弁解のところでも言ってますけどもね」
藤井氏「『幸か不幸か』っていう日本語が正しかったんでしょうね。『幸か不幸か』だったら誰も何も言わなかったでしょうね」
寺島アナ「そうでしょうね」
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