
参議院選挙、各党の公約。聞こえはいいが財源に課題?
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時30分~17時、火~金曜日15時30分~17時35分)、7月10日の放送に経済評論家の佐藤治彦が出演。参議院選挙における各党の公約と財源の関係について解説した。
鈴木敏夫(文化放送解説委員)「(参議院選挙において)与党は『給付金を配ります』、野党は『減税だ』と連日、声高に言っています。一方で財源をどうするんだ、という話もずっとしていますね。どこも裏付けが弱いかな、とも思いますが、佐藤さんには『日本国債を当てにしていいのか』。各党の主張と合わせて検証していただきましょう。(各党主張の財源について説明)」
長野智子「きょうのテーマでいうと国民民主、参政党、れいわ新選組が赤字国債の発行、といったことを言っている。どうでしょうか」
佐藤治彦「まず各党、とにかく聞こえのいいこと言っていますね。社会保険料を半分にしよう、消費税を恒久的に食料品0%にしよう、消費税を即時撤廃しよう、とりあえず5%にしよう、給付金を出そう……いろいろなこと言っていますけど財源がしっかりしていないものはやはりダメだと思うんです」
長野「いいことだけ言って実現しない、ということですものね」
佐藤「各党、これを財源だと言っていますけどそれってリアルかな、と考えたとき。自民党と公明党、それから立憲民主党、この3党は恒久的な経済対策じゃないんですよ」
長野「そうですね」
佐藤「たとえば消費税を食料品0%にしてずっとやる、というのではなく。立憲だってとりあえず1年、長くて2年ということじゃないですか。単発なんですよ」
長野「立憲はそのあとに給付付き税額控除を、と言っています」
佐藤「まずは恒久的な財源なのか単発的なものなのかという分け方がある。自民党、公明党、立憲民主党に関しては、不満だけれど可能だよな、と思います。それ以外、まず、れいわや共産、社民が言っている、大企業・富裕層への増税をして消費税を減らそう、もしくは0にしよう、という考え方。税金って主な税収として3税というのがあるんです。消費税、所得税、法人税」
長野「はい」
佐藤「この3つが主な税金なんです。いま消費税ってどれぐらいになっているかというと、その中で消費税がいちばん大きくなってしまった。消費税は国と地方の分を合わせるとだいたい31兆円ぐらい、所得税は20兆円ぐらい、法人税は18兆円ぐらいなんです」
長野「はい」
佐藤「たとえば消費税を半分にしよう、5%にしよう、といった場合、16兆円、毎年どこかから持ってこないといけない、ということになる。食料品をとにかく0%にしよう、となった場合は1年で5兆円。毎年だと毎年5兆円、財源が必要になる。消費税を0%にしよう、となったら31兆円、どこかから持ってくる、ということになる」
長野「はい」
佐藤「それを大企業・富裕層への増税、結局、所得税と法人税を上げる、ということ。大企業や富裕層ではなく、とにかく所得税・法人税を上げたとしても両方合わせて38兆円なので、32兆円持ってくる、となれば所得税と法人税でざっくり倍にしないといけない、ということ。倍にするのを富裕層だけ、大企業だけ、ということは不可能。もっと現実的ではないのは国債を当てにする、ということです」
「長野智子アップデート」は毎週月曜~金曜の午後3時30分~5時、文化放送(FM91.6MHz、 AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
※タイムフリーは1週間限定コンテンツです。
※他エリアの放送を聴くにはプレミアム会員になる必要があります。
関連記事
この記事の番組情報
