
自民党は”鬼”だらけ? 石破総理の心境を政治ジャーナリストが分析「外に福がある」
野村邦丸アナウンサーがパーソナリティを務めるラジオ番組『くにまる食堂』(文化放送・月曜日~金曜日9〜13時) 8月4日の放送は、政治ジャーナリストの伊藤惇夫氏が、石破総理についてトークを繰り広げた。
邦丸「今日は政治ジャーナリストの伊藤惇夫さんと久々にお送りしております。『くにまるジャパン』時代からお聞きいただいているリスナーさんの中には「あれ、もうやんねぇのかな」と思ってる方もいらっしゃると思います。お待たせいたしました、久しぶりに伊藤惇夫さんの川柳が帰ってきました。まいりましょう、伊藤惇夫さん久々渾身の川柳はこちら!」
『鬼は内、福は外から覗くだけ』
伊藤「石破さんの心境をうたってみたんです。今、もう自民党の中からも「石破やめろ」って、みんなで引き摺り下ろそうって大騒ぎをしてますよね。派閥のボスたちは、ポスト石破を誰にしようかなと、「俺の影響力のあるやつにした方がいいな」とか大騒ぎをしてるんですけれども。そういう意味で言うと党内にはもう敵しかいない。普通は「福は内、鬼は外」なんですけど、その逆になっちゃっているんですね。中には“鬼”しかいない。でも外に“福”がある。外の“福”というのは世論です。今日あたりどこかの民放テレビ局の調査結果を見ると、石破内閣の支持率は上昇していると。自民党の支持率は下がってるんですよ」
邦丸「あっ、そうなの?」
伊藤「その傾向は徐々に定着しつつあるんです。要するに、石破さんが今頑張っている背景の一つに、世論は我に味方してるんだっていう思いが多分あると思うんですよね。ただ、遅すぎました」
邦丸「遅すぎる?」
伊藤「こんなに早く、1年も経たないうちに追い詰められるぐらいだったら、なんで総理就任直後からもっと石破カラーを出さなかったのか。石破さんというのは政治改革に非常に前向きな人ですから、例えば「政治とカネ」の問題でも、ああいう中途半端な処理をしないで、思い切って党内に本当の意味での党改革のセクションを作るとか、あるいは裏金問題を起こした議員たちをもっと厳罰に処するとか。小泉さんの真似すればよかったんですよ」
邦丸「小泉純一郎さん」
伊藤「小泉さんも、総理になった時って実は党内に味方が少なかったんですよ。郵政民営化なんか言って、党内の6割、7割ぐらいかな、みんな反対だったんですよね。そこで小泉さんは、何をやったか。党内に味方がいないんだったら、外から援軍を連れてくればいいと。援軍というのは世論です。そこで、例えば「自民党をぶっ壊す」とか、いわゆる小泉劇場を展開して、世論を味方につけたわけですよね。で、その味方を背景にして、自分の思うような政治を行った。つまり民営化も含めてですけど、結果的にそれが良かったか悪かったは別として(笑)
そういう、中に味方が少ないんだったら外から援軍を呼んでくればいいっていうやり方をしたのが小泉さんだったと思うんですけど、石破さんもそれをやっていれば、もしかしたら今こういう状態になっていなかった。あるいは選挙だって、こんなに負けてはいなかったかもしれないんですよね。だって、そもそも石破さんが総理になった理由っていうのは、それまで岸田さんが総理大臣をやっていて、ものすごい評判悪くて、「このままいくと総選挙負けちゃうな」と。だから「世論の支持のある人を表紙に持ってこよう」というので最終的に石破さんになったわけでしょ。ただ、総理になった途端に、「今までの自民党の総理総裁と一緒だよね」っていうふうに、どんどんなっていってしまった。それがここまで石破さんを追い詰めてしまった大きな要因だったとすれば、思い切って総理になった時、党内にはどうせもともと支持基盤もないんだから、世論をどうやって味方に引っ張り込むか。そのためには、自民党がはっきり変わったと、「石破自民党はこれまでの自民党と違うよね」と、みんなが思ってくれるような政策なり、決断なりをすればよかったのに、それをやらないで、結局、従来型の自民党総裁、総理になっちゃった。今になって、それを挽回しようと思っても、なかなか厳しいなと思いますよね」
邦丸「小泉さんって、特に党内で「嫌われたって全然関係ない」って感じだったじゃないですか。石破さんが総裁選で高市さんと争った時、今まで私の言ったこととか付き合いの悪さで嫌な思いをされた方に対して謝りますって言っちゃいましたよね。あれ言わなきゃよかったのにね」
伊藤「そうですね。私は私の信念として自民党を運営してきます、あるいは政権を運営してきますと言い切ればよかった。どうせ追い詰められるんだったら、やりたいことやってから追い詰められた方がまだいいじゃないですか。たぶん今、石破さん、やりたいこともほとんどやれないまま、追い詰められてきてるわけですよね」
そんな石破総理内閣はこれからどうなるのか? この後、2人のトークはさらに白熱します。続きはradikoのタイムフリー機能でお楽しみください。
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