
「イスラエル軍が本当に撤退する?」ガザ和平案協議のポイントを武田砂鉄が聞く
フリーライターの武田砂鉄が生放送でお送りする朝のラジオ番組、『武田砂鉄ラジオマガジン』。10月6日の放送では、月曜レギュラーでドイツ出身の翻訳家・エッセイストのマライ・メントライン氏とガザ和平案協議についてトークを繰り広げた。
マライ「今日は、ハマスとイスラエルの和平案協議が本日エジプトで始まる、というニュースです」
武田「なんかこう、いろんな情報が飛び交って、実際どうなってるのか混乱してる方もいらっしゃると思いますけれど、現状はどんな感じになってますか」
マライ「この和平案協議はトランプ大統領が強く提案したんですね。本人の発言では、ディールを結べるまで間もない、っていう、ディールっていうところがちょっと彼らしいなと思いました。振り返ってみると、ハマスがイスラエルの音楽フェスを攻撃したのが2023年の10月7日ですね。だからあと数日でその日が来てしまうんですけど、そのタイミングで停戦と人質の解放までいけたらいいなということになってるんですね。ただ、今回のエジプトでの協議に参加するのがトランプ大統領本人ではなく、ウィトコフ中東担当特使と、あと義理の息子のクシュナーさんです。
武田「本人は出て行かないということですね」
マライ「そう、だからそれは興味深い決断だなと、別に行ってもいいと思ったんですけど。じゃあ、どういうことが協議されるかというと、一応、トランプ大統領は20項目の和平案を作って、そこにはもちろんガザとイスラエルの戦闘の終結が書かれています。でも、ガザにはハマスがいるじゃないですか。ハマスというテロ組織を今後どう扱うのか? テロを放棄しますと約束した人に対しては、どうするのか? あとイスラエル軍の撤退です。実際にはこの協議まで、イスラエルはガザを攻撃しないでねとトランプ大統領が強く念を押したにもかかわらず、続いてるんですよね」
武田「そうですよね」
マライ「いまだにガザ地区では多くの方が亡くなっている現実があるんですけど、合意があればイスラエル軍は撤退しないといけない。その撤退ラインをどうするかというのが、実は協議の大事なポイントになるんです。多分、イスラエル側からすると、まず「ちょい撤退」。まだガザ地区から出て行きたくなくて、ちょっとだけにする。だからそのラインはどこなのか。
あと、いつまでにというのがすごく大事なポイントになるんですね。そして、イスラエル人の人質がどうなるのか。今回議論されるのが、イスラエル人の人質とパレスチナの捕虜の交換なんですね。人質の数ははっきりとはわからないんですけど、48人と言われていて、そのうち28人が既に亡くなっているとされてます。20人が生きている。で、パレスチナ捕虜は250人、代わりに解放してください。中には終身刑の人もいるんですね。そういう人選、誰を解放するのか。人質は分かるんですけど、パレスチナ人に関してはどうするのか。だから、その辺りの協議がしばらく時間かかるんじゃないかなと思うんですね。なので、本当に7日にそこまでたどり着けるのか、そこがポイントだと思います」
武田「イスラエル軍が本当に撤退するのかという話ですけれど、パレスチナで暮らしている人たちからしてみると、「ちょっと撤退」「そのうち完全撤退」ということを信じられるのか。なかなか信じられないところありますよね。なぜなら、これまでもずっとそういうことが繰り返されてきたわけだから」
マライ「そうなんですよ。だから今もドローン攻撃だったりとか、あとイスラエル国防軍による攻撃が続いて民間人が亡くなるんですよね。それこそ先週末にも、また多くのパレスチナの民間人が死亡しているんですね」
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