プチ鹿島が緊急提言。「この冬、他責の流行にご注意ください!」

プチ鹿島が緊急提言。「この冬、他責の流行にご注意ください!」

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フリーライターの武田砂鉄が生放送でお送りする朝の生ワイド「武田砂鉄ラジオマガジン」(文化放送)。12月18日(木)8時台のコーナー「ラジマガコラム」では、木曜前半レギュラーの時事芸人・プチ鹿島が、責任を他人になすりつける『他責の流行』について警鐘を鳴らした。

プチ鹿島「寒くなってきましてね、インフルエンザとか風邪とかの流行にご注意くださいという呼びかけを耳にすると思うんですが、今日のこのコーナーのタイトルは『他人が悪い! この冬、他責の流行にご注意ください!』。
他責……他に責任があるっていう言葉ですよね。
昨日、臨時国会が閉幕しました。高市政権となって初の国会が閉幕しましたが、これまでこのコーナーで述べてきたこととか、改めて気づいたことをちょっとおさらいしたいと思うんですよね」

武田砂鉄「はい」

鹿島「まず1つ目。タイトルにも入れましたけども、国会論議から世の中も含めて目立ったのが『○○が悪い』っていう言説ね。これ、どうしても気になるんですよ。 例えば『質問した方が悪い』とか。これ高市総理の台湾有事の国会答弁を巡って、そんな用語と言いますか、言説が飛び交いましたよね。
まあそれで言ったらね、じゃあ例えば中国軍機が自衛隊機にレーダー照射するという事案がありましたよね。あれなんかもう『総理に国会で聞きすぎた』『質問した方が悪いのかな?』なんてワイドショーのコメンテーター風に言うと思ってしまうんですが、そんなことを考えていたら先週末の土曜日に毎日新聞がスクープを放ったんです。
『台湾有事政府“答えない”』。そういうのを実は答弁書に明記していたっていうことですよね。これどういうことかというと、事前に用意していた答弁資料には『台湾有事について政府として答えない』と明記されていた。つまり政府は言い切らず踏み込まず、戦略的曖昧性を保つという従来の判断をしていたと。にもかかわらず高市総理はその想定を超えて具体的な言葉を口にした。アドリブで発言していたっていうことなんですね。
これ注目したいのはですね、当然これ答弁資料ですから、あの質問をした立憲民主党の岡田克也さんも質問通告してるんですよね」

武田「『こういう質問しますよ』というね」

鹿島「そこで僕が注目したのが、質問通告では高市総理は昨年9月の総裁選の際に『中国による台湾の海上封鎖が存立危機事態にもなるかも知れない』などの発言をしているがっていう。だから高市さんが総理になる前の過去の発言を前提に尋ねているんですよね。
つまり『これまでのような一人の議員としてではなく、総理になってからも同じことを言うんですか?』っていう確認ですよね。
もっと言うと『総理になったからには、そうではありません』という答弁をもらうためっていう、そういう狙いのある質問であり質問通告なんですよね。
これ実は岡田さん自身も例えば、荻上チキさんのラジオなんかに出演して、そういう風に言ってるわけですよ。
『このままだとまずいけど総理になったら変わってますよ、そうじゃないですよっていう答弁をください』っていう、そういう意味だったと。
ところがあの発言が出た。答弁書も用意してあったのに。
その後の反応はこの番組で何回かご紹介してきましたけども、歴代の総理はどんな状況が存立危機になるか、線引きをあえて曖昧にしてきたと。
これ、日経新聞なんかは総理経験者の言葉をこう伝えていて『言っていいわけがない』と」

武田「うん」

鹿島「実は今日もですね、日経新聞が興味深い記事を載せてるんですよ。これ、4面なんですが『総理答弁調整不足の形跡』ということで、明らかになった資料からは、総理が練った議論の上で答弁をしたのか、その形跡が伺えないと。
あと答弁書そのものもですね、従来の政府見解しか書いておらず、総理と官僚による十分な熟議を得た発言ではなく、もうそのまま総理が兼ねて持っていた考えを説明する答弁になったんじゃないか。だから結果として歴代政権があえて曖昧にしてきた部分に踏み込んでしまったんじゃないかっていうのは、今日日経がまた改めて報じているんですよね」

武田「そういう経緯を考えると、もちろん岡田さんの質問した方が悪いって言うのはもってのほかで、むしろ岡田さんはアシストしてるぐらいの感じですよね。
『総理になった時にこれまでの発言どうなさいますか?』
『総理になりまして、これこれこうですよ』って これまでの政府見解にっていう風に、それを訂正するようなやり取りが想定されたけれども、そこを外しちゃった」

鹿島「そうなんです。だから11月7日の週明け、立憲民主党の大串博志さんが『じゃあ修正撤回したらどうですか?』って、あれもある種アシストなんですよね。ところが、それも高市さんは否定している。
今朝の読売新聞の社説に後半面白い部分がありまして、こう書いてあるんですよね。『野党が政府を追及するのは当然だとしても、何度も答弁を求めながら従来の答弁を踏み越えたと批判するのは辻褄が合わない』
だからやっぱり岡田さんとかの質問の仕方に読売は突っ込んでいるんですが、これもさっきのね、想定問答を改めて質問通告を思い出して『総理大臣になってからも同じこと言うんですか? そうじゃないですよね?』っていう意図を考えると、『質問した方が悪い』とか『何度も同じことを確認するのはどうなんだ?』みたいなのもちょっと違うのかなと思いますね」

この後も、プチ鹿島さん提言はまだまだ続きます。気になる方はradikoのタイムフリーでご確認ください。

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