音楽×建築 AI時代における構成の「美」を考える
様々な社会課題や未来予想に対してイノベーションをキーワードに経営学者・入山章栄さんが色々なジャンルのトップランナーたちとディスカッションする番組・文化放送「浜松町Innovation Culture Cafe」。
2026年1月12日,1月19日の浜松町Innovation Culture Cafeは、『音楽×建築 AI時代における構成の「美」を考える』をテーマにマニピュレーター、アレンジャー、プロデューサーの毛利泰士さんと「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2026」の大賞を受賞された建築家の永山祐子さんをお迎えしました。
入山:ここでは「音楽と建築の美しさ」について考えます。これから AI時代で、いろんなものが便利になっていきます。 AI ができることって僕の理解では「答えがあるもの」なんですけど、だからだんだん人間がやるべきことは答えがない「感覚」とか「直感」の方に絶対行くと思うんです。究極は美なんです。まず毛利さんに伺いますが、音楽をされていて、マニピュレーターとかエンジニアをされていて「これって美しいな」って感じる感覚は、どういうところですか?
毛利:美しいで考えることは、あんまりないんですけど、前提として音楽って要素があるじゃないですか?まずメロディ、そして音色とかリズムとか。最初の要素に対して、編曲というものが加わって、そこに実際人の演奏とか歌唱であるとか、人の行為によって全部合わさったことで、人に聞かれる製品として「音楽」という形になると思うんですね。だから美しいというものをどこに置くかというのは…
入山:いわゆる「絵的な美しさ」ではないんですね。それが心にグッとくる「ああ、いいな」っていう。音楽的な意味で「美」というのは分からないけど、人のハートや、自分のハートを掴む。そういった感覚はありますか?
毛利:そういう意味では、メロディーっていうのは、綺麗だというのは、はっきり「美」だと思うんです。でもメロディーって基本的に12の音の分割した音から、どう行き来するかっていう確率論みたいな世界になっているので、その中で美しいっていうのを感じさせるのは、すごく出尽くしてると言われてますね。
入山:よくあるのが、ヒット曲が「20年前のパクリだ」とか言われちゃいますけども、パクリってよりは、制約のある中で確率論でやっていくと似てるのが出てきちゃうということですよね?
毛利:そして好きだったものの影響とか、積み重ねがそうなってしまう。何をもってして、どうアレンジして、積み上げるか。あとは大事なのは、言葉ですね。言葉とメロディーの関係性みたいなところでどうやって変化させていくか、という部分になってくると思うので、この特に歌物というジャンルで絞った場合に、純粋な美しさみたいなものから始めるっていうのはなかなかハードルが高いなと。どうやって、新しいものというよりは、過去あったものと全く同じじゃないものっていう風に作り上げていくことのチャレンジというか…
入山:僕は、yoasobi とか僕から見ると今風なんですけど、実はあれはすごい昔風らしいですね。
毛利:作り方の手順が新しいんですよね。パズルに近いと言いますか、パズルを組み上げるように作っていくのが今のこの近年の音楽で。はまるピースを探るというか、人にもよると思うんですけれども、「降りてきた!」という人もいると思うんですけど、どのようにして、今あるものをパズルとして組んでいくか。
入山:いろんな要素をど組み上げるかていう作り方に近代の音楽はなっていると。
毛利:なっているというか、続いたということですかね。この20年ぐらいかな。それが AI が出てきたことによって、ここがまた音楽にとっての分岐点で、ここから変わっていくと。この美しさという意味で言うと、そういう意味では、シンプルなメロディーに美しさというのもありますが、僕の場合は、シンセサイザーの音色を作ったりする仕事でしたので、風景的な心象風景と言うんでしょうか。そういう景色とか目に見えるものに音が変わったように見える。それが美しいなと思いますね。
入山:永山さん、ここまでのお話どうですか?
永山:建築って、もうちょっとたくさん要素があるので、変化は出しやすいですけど、先ほどおっしゃっていたように、かなり絞られた制限の中で作るっていうのはすごいなって思うし。でもそれなのにこんなにもバリエーションがあるっていうのは、面白さというか魅力を感じます。
入山:建築の方がもっといろんな要素の幅が広いってことですか?
永山:そうですね。そもそも敷地が決まっているので、敷地ってほぼ違いますよね。敷地が、キャラクターを持っている。そのキャラクターを、生かしていくというのが、建築の大前提なので、その敷地を読み込んで、ここに適した建築をどのように作るかっていうところで、まずそこである程度のキャラクターの違いや、バリエーションは出やすいですね。
入山:毛利さんどうですか、この違いは?
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毛利泰士さん
これまで坂本龍一さんのオペレーターを担当し、レコーディング、ライブなどの活動に参加。それ以降は、槇原敬之さん、福山雅治さん、藤井フミヤさんなど日本を代表するアーティストのプログラミング、作編曲に関わる。さらに、声優の坂本真綾(まあや)さん、花澤香菜さん、JUNNA(じゅんな)さん、鈴木みのりさんといった声優・アニソンアーティストのライブへも参加。一方で、ご自身はアニソンなどに特化したカバーバンド「毛利泰士とザ・ベスト」を結成し、こちらも精力的に活動されている。
永山祐子さん
大学卒業後、青木淳建築計画事務所に入職。2002年に独立し、永山祐子建築設計を設立され、「ルイ・ヴィトン 大丸京都店」「東急歌舞伎町タワー」など数々の著名な建築物を手掛ける。これまで多数の受賞歴に加え、昨年12月には、月刊誌『日経ウーマン』が、各界で目覚ましい活躍を遂げた女性を表彰する「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2026」で大賞を受賞。
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