日本のインフラが抱える、「厳しい環境」が事故につながる問題
大竹まことがパーソナリティを務める「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送・月曜日~金曜日11時30分~15時)、1月29日の放送に日本大学工学部工学研究所長・土木工学科教授の岩城一郎が出演した。昨年12月に著書『日本のインフラ危機』を発売した岩城が、現在の日本のインフラが抱える問題を語った。
大竹まこと「(岩城一郎・著『日本のインフラ危機』の)帯には“「老朽化」という今そこにある現実”と書かれています。私なんかもあちこち、骨だ内臓だと、ほころびが来つつ、こんなものかな、と思って生きておりますが。建物もずいぶん老朽化するんですね」
岩城一郎「建物の多くはコンクリートでできております。コンクリートも人のように様々な病気で劣化していく。最後には寿命を迎えてしまう、ということになります」
大竹「寿命は何年ぐらい、というのはあるんですか?」
岩城「人と大きく違うところで、2000年前のコンクリートがいまも使われている事実もある。という一方で、数十年で使えないほどボロボロになる、あるいは最近の事故のような感じで構造物が壊れてしまう。そういったことがあります」
大竹「八潮(埼玉県八潮市)の道路の陥没事故。トラックが落ちて、大丈夫なのかと見ているうちに、運転手の方は命を落とされました。1年経っていますけど、まだ全然、修復ができていないと。どういうことだったんですか?」
岩城「正直に言うと我々、専門家でもここまで事故が大きくなる、長期化する、という問題に驚いたところです。小さなことはいろいろな場所でありましたが、八潮の事故は10メートルも深いところに直径5メートルの非常に大きな、コンクリート製の下水道管があって。そこに穴があいて土砂が流れ込んだので、あれだけ大きな事故になった。トラックが穴に入ってしまい、なかなか助け出すこともできなかったんです」
青木理「あの下水道管は敷設からどれぐらいの時間が経っていたんですか?」
岩城「40年ちょっとと聞いております」
青木「(劣化の仕方は)モノや環境にもよる。たとえば海の近くなら潮風に当たって腐食も早いでしょう。40年だと下水道管の場合には、そろそろ寿命ということなんですか?」
岩城「そこにまた違いがありまして。おっしゃるとおり厳しい環境だと数十年しか持たない。あの下水道管の場所は、最も硫化水素が発生しやすく、滞留しやすい。硫化水素そのものがコンクリートにダメージを与えなくても、そこから硫酸に変わると、酸がコンクリートを溶かしてしまうんですね。全国にたくさんある中でも、あそこのロケーションが、最も厳しい環境のひとつだったと思います」
青木「ああ」
岩城「もうひとつ、劣化がすべての要因ということではなく。40年ほど前の構造物、しかも当時の技術では5メートルのトンネルって難しかった。技術でしっかりとできていなかった可能性もある。そういう複合的な要因が絡んで、最終的に厳しい環境の中で、ああいう事故が起きてしまった、というのが私の見立てです」
大竹「道路が劣化したというより、その下の土がなくなっていたんですよね」
岩城「はい。下水道管になんらかのかたちで隙間、あるいは穴があいて、土砂が入り込んで、空洞化する。空洞化して最終的には道路が陥没、そこに不幸にもトラックが入ってしまった」
放送では日本のインフラについて、岩城がさらに解説した。詳しくはradikoのタイムフリー機能で確認してほしい。
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