地下鉄サリン事件から31年。日本社会は、カルト問題にどう向き合ってきたのか?
3月20日(金)、ニュースキャスター・長野智子がパーソナリティを務めるラジオ番組「長野智子アップデート」(文化放送・15時30分~17時)が放送。午後3時台「アップデート・コラム」のコーナーでは、「日本社会は、カルト問題にどう向き合ってきたのか?」というテーマで、ジャーナリストの鈴木エイト氏に話を伺った。
オウム真理教による化学テロ、地下鉄サリン事件から今年で31年。今もなお被害者の方の多くが地下鉄に1人で乗れないなどPTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状や、様々な体の不調に苦しんでいる。
長野智子「エイトさんから見て、この31年間、日本社会はカルト問題にどのように向き合ってきたのかっていうと、どういうふうにご覧になりますか?」
鈴木エイト「警察・公安調査庁も含めて、こういう化学兵器とかテロ対策に関してどうやって防いでいくかっていうところで、実際に見ていくと駅だったり地下鉄だったり、そういうところで防犯体制はかなり見直されましたよね。毒物とか爆発物の管理の厳罰化、カルト団体に対する規制強化っていうところもずっと続けられてきたんですけども『本当にそれで十分だったのか?』ってところを感じると、ローン・オフェンダーの問題もあったりだとか……。警察は事件が起こらないと動けないっていうところもある中で、どうやって防いでいくか。民間の社会の監視であったりとか、元信者の人たちへの支援体制だったり、特に2世問題ですよね。実は、集英社インターナショナルからNHKの『クローズアップ現代』の取材班が書かれた『オウム真理教の子どもたち 知られざる30年』っていう本が3月10日に出て。これを読むと改めて、オウムのサティアンで収容された子供たちのその後の児童相談所でのケアなどに関して国も最初は状況を追っていて、ちゃんとした調査報告がなされていたんですが、数年経つうちにそこが追いきれなくなっていて、あの時に収容された子供たちが、その後は何のケアも受けないまま社会の中でひっそり声を潜めて『自分はオウムの子供だった』っていうことが言えないまま隠れて生きてきたような流れがあるんですね」
長野「最初は状況を追っていたのに、数年経って追いきれなくなったっていうのは何か理由があったんですか?」
鈴木「全国散り散りになってしまって、そこで追いきれなくなってしまった。調査を研究する部署、研究者などのネットワークもあったんですけど、そこも1年2年経つうちに途中で途切れてしまった。オウム事件の後には省庁連絡会議みたいなのができて、いろんな研究者がオウム事件を契機にカルト問題をどうやって防いでいくか、被害者の救済・2世問題を統括するちゃんとした組織を作ってちゃんと追っていくべきだ、っていうような調査研究報告が一旦出たんですけど、それが後世の社会に活かされているんだと思っていたら、実際はそうではなくて国立公文書館にしまいこまれてしまっていたと」
長野「それはどうしてなんだろう?受け継いでいくべきですよね」
鈴木「この30年経って、同じような宗教カルトが絡んで元首相が銃撃されるような事件まで起こってしまった。カルト団体が起こした事件ではなくてカルト団体の被害者が起こした事件ですけれども。この30年、セカンドジェネレーションの問題が放置されたことによって事件が起こったところを見ると、いろんな社会問題がある中で、セカンドジェネレーションたちのケアを国としてちゃんとできてこなかったっていうところの連鎖があるんじゃないかな、っていうのは感じましたよね」
「長野智子アップデート」は毎週月曜~金曜の午後3時30分~5時、文化放送
(FM91.6MHz、 AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間
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