【アナコラム】斉藤一美「憧れるのをやめないでおきましょう!」

【アナコラム】斉藤一美「憧れるのをやめないでおきましょう!」

Share

文化放送メールマガジン(毎週金曜日配信)にて連載中の「アナウンサーコラム」。週替わりで文化放送アナウンサーがコラムを担当しています。この記事では全文をご紹介!

メルマガ登録はこちら

▼3月27日配信号 担当
斉藤一美アナウンサー

おかげさまで第6回ワールドベースボールクラシックを文化放送で実況することができました。

2006年の第1回大会、サンディエゴ/ペトコパークで”世界の王貞治”が名実ともに世界一へと上りつめた胴上げをリポーターとして目撃し…世の中にはこんなに美しい場所があるのか…と息を呑み感激したことが全ての始まりです。
何度負けても立ち上がりファイティングポーズを取り続けることの大切さ、運を呼び込む最善の尽くし方、選手生命を懸けた自己表現は、その後の私の生き様に多大な影響を及ぼしました。
でも、傍からみればこれだけの完璧な体験をしながら、私の中ではどこか満たされていない部分がありました。自分が試合を実況していなかったからです。この悔しさを自覚した瞬間から、私は”いつの日かWBCを喋りたい”と考えるようになりました。

それにしても不思議なものですよね。たとえ心の片隅にとどめていても”自分はこういう仕事をしたい”と本気で想い続け、黙々と日々を積み上げていくと本当に実現することがあるのですから。
2023年にAmazonPrimeVideoでWBC/侍ジャパン全試合の実況を仰せつかった時はさすがに度肝を抜かれました。人生初の映像を伴う中継に悪戦苦闘したものの、日本代表が見せた快進撃のおかげで全てが報われたことは何よりでした。

どんな形であれ目標を達成した以上、新たなターゲットを“WBCを何度でも実況すること”へとシフトしたものの、本番が近づくにつれ時だけが過ぎていったので今回の実況はほぼ諦めていたのです。

そのような中で急転直下、文化放送史上初のWBC完全実況生中継が実現したのですからなおさら驚くと同時に、前回以上の喜びを感じました。
アメリカで開催される準々決勝/準決勝/決勝までの4日間で3試合、実況を全て任される日程にも決して怯むことはありません。17日間で10試合喋った前回の過ごし方が記憶に残っていたからです。会場は3年前と同じマイアミ/ローンデポパーク。現地の空気を存分に吸ってきたので、ほぼ全ての事柄をイメージできました。最新鋭機器を使っているとはいえ、浜松町のスタジオで喋る中継は、前回の経験がなければ不安だらけで当日を迎えていたはずです。


《写真=WBCで最も濃厚な内容だった3試合全ての解説:侍ジャパン前ピッチングコーチ/吉井理人さんと》

幸いにも2大会連続で関われたおかげで、WBCにおける振る舞い方も掴めたような気がします。
他国の選手としのぎを削る侍ジャパンはかつて大谷翔平が呼びかけたように、どんなスタープレーヤーが相手だとしても憧れるべきではないでしょう。
でも…この考えはおそらく喋り手にはあてはまりません。全ての選手へ憧憬の念を抱いてこそ、日本が一切関わらない試合を様々な角度から実況することができるのです。準決勝のドミニカ共和国VSアメリカ、決勝のアメリカVSベネズエラは息詰まる接戦で、極めてハイレベルな野球の醍醐味を存分に味わいつつ大いに中継を楽しみました。

スポーツを実況するなら…憧れるのをやめないでおきましょう!

これからマイクを握ろうとしている若者たちへ声を大にして届けたい一言です。

【文化放送アナウンサー/斉藤一美】

メルマガ登録はこちら
Share

関連記事

この記事の番組情報


文化放送アナウンサーズ

文化放送アナウンサーズ

その他の主な出演者

みなさーん、いつも御愛聴ありがとうございます!【文化放送アナウンサーズ】です。 私たちアナウンサーはとにかく文化放送が大好き!ラジオが大好き! 気持ちはいつも…

NOW ON AIR
ページTOPへ