紛争地域での性暴力のブラックリスト入りをめぐり、国連とイスラエルが対立か
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時~17時、火~金曜日15時~17時35分)、6月3日の放送に毎日新聞論説委員でノンフィクション作家の小倉孝保が出演。国連が発表した、紛争地域における性暴力のリストにイスラエル、ロシアが追加された、というニュースについて解説した。
鈴木敏夫(文化放送解説委員)「国連は先月29日、紛争地域での性暴力に関する年次報告書を公表しました。紛争地域で性暴力を行った疑いのある国や組織の、いわゆるブラックリストにイスラエルとロシアを追加しました。いまのところロシアは無反応、一方でイスラエルはグテレス事務総長との関係を凍結する、と発表して。穏やかではない状況です」
小倉孝保「国連はここ数年、紛争地でどんな性暴力が起きているか、というのを特別調査官が調査して。それを毎年、3月にまとめているんですね。今回は4月に発表した。特にイスラエルとロシアという国をブラックリスト、国をあげて性暴力に関与した疑いがある、というリストに載せる、と発表した。それにイスラエルが猛反発して、かなり話題になっているんです。ではどういう調査結果だったか、ということですね」
長野智子「はい」
小倉「2023年10月にイスラム組織ハマスがイスラエルを吸収して、イスラエルの市民をおよそ1200人、殺害したという事件がありました。以降、イスラエルが報復攻撃を行って。2023年10月にハマスが性暴力をした、という報告は、既に国連が出しています。ハマスはもうブラックリストに載っている。でもイスラエルがいまもガザでいろいろとしている。ほかにもヨルダン川西岸でパレスチナ人を拘束したとき、拘束されたパレスチナ人が性暴力を受けた、という抗議なんかがあり、国連が調べていた」
長野「はい」
小倉「国連が、少なくともパレスチナ自治区ガザ地区とヨルダン川西岸で、パレスチナ人に対する性暴力31件を確認したと。うち13件が2025年、つまり去年です。あとの18件は、それ以前。ハマスの襲撃以降、23、24年で18件かなと。被害者は男性14人、女性7人。男児9人、女児1人。具体的にはイスラエルの軍、警察、刑務所の職員が集団レイプを行う、強制的に裸にさせるなど。嫌がらせの激しいもの」
長野「はい」
小倉「恐らく、イラク戦争のときにもアメリカ兵によって捕らえられたイラク人の市民が、男女を問わず性的な嫌がらせの被害を受けた。いろいろ取材をすると『おまえたちはテロリストだろう。テロに協力したんだろう、情報を与えたんじゃないか』と言われて。今回の場合はイスラエルの友人の兵隊が殺された、というシチュエーションがありますね」
長野「はい」
小倉「そのときに、おまえたちが情報を提供したんじゃないか、ハマスを助けたんじゃないか、と言う。憤りが嫌がらせに転化していくわけです。それが激しくなってレイプ、大勢になったら集団レイプみたいになる。それを国連が調べていて、今回、こういうことが確認されました、もしくは疑いがありますよ、と。かなり難しい調査なんですよ」
長野「そうですよねえ」
小倉「イスラエルが調査に、全然協力していないから。しかも今回の発表で、報告書の中に国連側が、むしろ『イスラエルが調査を妨害しようとした』、被拘束者に『これは絶対、公言してはいけないぞ』という圧力をかけた、ということまで書かれている。協力していないから、何があったのかわかりにくい。けれど、拘束された、暴力を受けた人たちの話が出てきた。先ほど言ったようなことは確認されました、という報告になったんです」
長野「被害を受けた方たちの中にはジャーナリストや人権活動家も入っている?」
小倉「そういった話もあります。現地、パレスチナ人のジャーナリストや人権活動家たちにも『おまえたちはハマスの支持者じゃないのか』と。ハマスを利しているんじゃないか、と。直接でなくても。おまえたちのせいでイスラエルがこんなに危ない目に遭っているんじゃないか、と。そういうことが嫌がらせになっていくのでは、と思います」
「長野智子アップデート」は毎週月曜~金曜午後3時~5時、文化放送(FM91.6MH
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