東京パラリンピック開幕 施設のバリアフリー化進め「よい大会に」 ～8月25日「おはよう寺ちゃん」

企業のパラスポーツ支援は進むが、定着は課題に

東京でのパラリンピック開催を機に、企業のパラスポーツ支援が本格化している。アスリートの雇用が拡大し、長期の協賛に踏み切る企業も現れ、支援で得た知見を経営に生かすという動きもある。

もっとも、パラスポーツの支援が進んでいるが、定着するかは見通せてはいないという。日本財団パラリンピックサポートセンターの集計などによると、各競技団体へのスポンサー金額は2020年度に8.8億円と、2017年度4.8億円の2倍近くに増えたが、2019年度10.1億円からは減っている。これは大会の延期に加えて、新型コロナウイルスによる企業業績の悪化が響いたと見られている。

一方で、世界の投資家は、企業のESG（環境・社会・企業統治）対応を重視する姿勢を強めている。世界持続的投資連合によると、2020年の世界のESG投資額は35.3兆ドル、約3870兆円と、2018年に比べて15%増えており、環境配慮・人権配慮・経営陣の多様性といったESG情報の開示を企業に求める動きも強まっているという。

「パラスポーツ支援の在り方や課題については、いかがでしょうか？」（寺島アナ）

「こういう文脈でESGが使われて、結果的にパラスポーツの支援が広がっていくということであれば、全然よいことだと思います。ただ、企業にお願いするというか、企業が主体となってしまうと、業績に左右されてしまいます。当然ながら、本業がボロボロになっている時というのは他のことを支援する余裕なんかないよ、ということになりますから。そういう意味では、企業だけにやらせるのではなく、国もやっていかないといけません」（森永氏）

森永氏はさらに続けて、これまでのパラリンピックでの事例を引き合いに、障がい者支援の体制づくりへの期待を寄せた。

「国際パラリンピック委員会によると、たとえば2016年のリオデジャネイロ大会のあと、ブラジルにおける障がい者就職率は大幅に改善しました。2008年の北京大会でも、中国の公共施設や交通機関が障がい者に配慮したかたちで（バリアフリー化への）整備が進んだ、という話もあるわけです。そういう意味では、今回すでに、日本国内でも障がい者に配慮した施設や、エレベーター等の整備が進んでいるんですね。この大会期間を通じて、それがさらに進んでいけば、よい大会だったなということになると思います」（森永氏）

パラリンピックの開催をゴールではなく、きっかけにしていく姿勢を求めていた森永氏。ESG重視の姿勢が強まる中、支援の持続力が問われている。

＜参考ニュース＞
第１６回夏季パラリンピック東京大会は２４日、東京・国立競技場で開会式が行われ、開幕した。新型コロナウイルスの影響で１年延期されてなお危機的な感染状況が続き、東京、千葉、埼玉、静岡の全会場で原則無観客開催になる。１６１の国・地域と難民選手団を合わせ、史上最多４４０３人の選手が参加する大会は、障害の有無など多様性を認め合う「共生」を目指し、社会を変える契機にできるかどうかが問われる。日本で障害者スポーツの扉を開いた１９６４年の第２回大会以来、５７年ぶりの東京開催。同じ都市で２度目の夏季大会が開かれるのは初めて。２２競技５３９種目が９月５日まで行われる。
（共同通信ニュースより）

「おはよう寺ちゃん」は平日朝5～9時、文化放送（AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko）で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。 またYouTube公式チャンネルではLIVE配信と、放送後にアーカイブでお楽しみいただけます。

【公式】文化放送 おはよう寺ちゃん – YouTube

2021/08/25/水 05:00-06:00 | おはよう寺ちゃん 5時～6時 | 文化放送 | radiko

2021/08/25/水 06:00-07:00 | おはよう寺ちゃん 6時～7時 | 文化放送 | radiko

2021/08/25/水 07:00-08:00 | おはよう寺ちゃん 7時～8時 | 文化放送 | radiko

2021/08/25/水 08:00-09:00 | おはよう寺ちゃん 8時～9時 | 文化放送 | radiko