『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』 サラリーマンの年収は、55歳で頭打ち?! 老後で住宅ローン貧乏にならないための秘訣とは(おとなライフ・アカデミーWEB)

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今を楽しく生きるオトナ世代のための情報番組「大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ」。
残間里江子さん(フリープロデューサー)と、大垣尚司さん(青山学院大学教授、移住・住みかえ支援機構代表理事)が、お金や住まいの話を中心に、暮らしにまつわる様々な事柄を語り合います。

この連載では、人気コーナー「おとなライフ・アカデミー2021」で話した内容をもとに大垣さんが執筆した、ここだけのエッセイを掲載中。
ラジオと合わせてもっと楽しい、読んで得する「家とお金」の豆知識です。

2021年8月28日の放送は、大人世代の多くが気になる年収と住宅ローンの話。多くの方にとって、年収のピークは55歳であることをご存じですか。さらに、2000年に起きた「住宅ローンの大革命」により、多くの方に老後貧乏のリスクが待ち構えているそうですが・・・。

年収が頭打ちになってから、人生設計を考えるのでは遅いかも・・・

今回の放送では「給料は、退職まで上がり続けるわけではない」というお話をしました。

国の出している統計によると、月の給料がピークを迎える年齢って、平均で55歳程度なんです。
そこから急速に下がっていって、多くの方が退職を迎える65歳ごろに受け取れる額は、なんと25歳の時点と同程度。

多くの人が「お給料は年々上がり続けていくか、ある時点で頭打ちになる」と想像していらっしゃると思うんですが、実はそうではなくて、むしろ下がっていく。

これを念頭に置かないで人生設計をしていない人は、老後、「お金が足りない」と青い顔をすることになるかもしれません。

どうして給料が下がることを、誰も教えてくれなかったの?!

この問題があまり大きく報道されない理由の一つに、給料が下がっても、大きく困っている人が現時点ではあまり存在しないから、ということがあります。

というのも、これまでの日本では60歳前後だと、住宅ローンを完済している方が多かったんですね。そのため、多少給料が下がっても、生活に困るほどの事態は起こっていなかったわけです。

住宅ローンって、2000年に大転機を迎えているんです。それまで借り入れ期間の最長は25年だったのが、35年まで借りられるようになりました。

その結果、それまでは、たとえば35歳で家を借りたとしても、60歳でのローン残高はほぼゼロだったのに対して、2000年以降は、60歳以降でも1000万円以上の残債がある方が普通になってしまいました。

さて、2000年に、35歳で住宅ローンを借りた方は、そろそろ55歳を迎えます。住宅ローンが負担になってしまう方は、ここ数年のうちに激増するのではないかと思います。

退職金で返せばいい? 実はそうとも限りません

ここまで読まれた多くの方が、「それでも、最終的には退職金で返せるはず」とお考えになるはず。

ですが、その退職金も、年々減少の傾向にあり、2013年時点での平均退職金額は約2150万円。10年近くが経過した今は、おそらくもっと低くなっていることでしょう。

一方、35年ローンを借りられた方の退職時点での残債は、平均して1500万円程度。

仮に退職金が2000万円出たとして、1500万円の残債を全て返してしまったら・・・。老後の資金が一気に減ってしまいます。「2000万円問題」が騒がれた昨今、現金での資産を住宅ローンのために一気に目減りさせてしまうのは不安ですよね。

今年10月から始まった「残価設定型ローン」が、不安を解消できるかも

この問題を解消するため、私が15年ほど前から開発に力を入れてきたのが「残価設定型の住宅ローン」です。時間がかかりましたが、今年の10月から、ようやく実際に商品化が始まりました。

このローンは、一言で言うと、事前に設定した時期以降は、返済額を半額以下に減らすことのできるローンです。

たとえば、静岡県にある4000万円の家を、30歳の方が購入したケースを考えてみましょう。

月の返済額はおよそ11万円程度ですが、残価設定型ローンで借り入れをしていた場合は、事前に設定した57歳以降では、返済額が3.5万円に減ります。

11万円から3.5万円に減るわけですから、半分以下です。

さらに、80歳以降は、ここからさらに7000円まで減らすことが可能です。

ちなみにこのローンは、住み替えや経済状況の変化などで家を離れることになった場合、ローンの残額と同じ額で、家を買い取ってもらうことも可能です。

返済額を減らせる上に、万が一家を手放してもローンが残る可能性はゼロというわけですね。

事前に設定する時期=残価と呼びます

ちなみに、事前に設定する時期を「残価」と呼びます。残価設定型ローンという名前はここからきているわけですね。

残価は、家の価値や立地などから計算して設定するため、希望を出せば必ず通るというわけではありません。

が、多くの場合、お給料が下がり出す「魔の年齢」である55歳前後に設定することが可能なんですよ。

令和の新ローンは、家が「負動産」になりません

ちなみにこのローンは、相続で家を「負動産」にしないことも特徴です。

家って、相続するとなかなか厄介なことが多いんですよね。思ったよりも相続税がかかったり、遠方に住んでいて管理が大変だったり・・・。

残価設定型ローンの場合、ローンを借りられた方が亡くなられた時点で400〜500万円程度の土地代が残るように設定されています。

相続人の方は、残債を払って引き受けてもいいですし、払えない場合や、相続する気がない場合は、買い取ってもらうことも可能です。ちなみに、この400万円という額は、実は、日本人の死亡保険金の額の平均とほぼ同額になっています。

家が必要か、そうでないかは、相続する方が決められる。これってとても重要なことだと思うんですが、これまでの住宅ローンではなかなか難しかったんです。

このローンが使える家は、高品質で割高な家に限られますが・・・

さて、一見いいことづくめに見えるこのローンですが(笑)、デメリットももちろんあります。

その一番大きなものが、このローンを使用するためには、「認定長期優良住宅」など、質の高い住宅を購入する必要があること。数十年後も家の価値が保証できる必要がありますからね。

認定長期優良住宅は、普通の家に比べると2〜3割高価です。これを負担に感じる方ももちろんいらっしゃるかとは思います。

ただし、先ほど申し上げた通り、時期が来ればその額は半額以下に下がり、相続の負担やリスクもほとんどゼロ。
最終的な負担を考えると、十分に利用を検討する価値はあると思います。

そんなわけで今回は、55歳を超えてからのお給料と、住宅ローンの問題、それから残価設定型ローンについて考えてみました。

これから家を購入される方は、ぜひ「残価設定型ローン」で家を購入することを検討してみてくださいね。

※この記事で掲載されている情報は全て、執筆時における情報を元にご紹介しています。金融商品などの利用や法制度については、必ず取扱金融機関のサイト等で最新の情報をご確認ください

お知らせ

パーソナリティの一人である大垣尚司さんが代表理事を務める「移住・住みかえ支援機構」(JTI)では、賃貸制度「マイホーム借上げ制度」を運用しています。

住まなくなった皆さまの家をJTIが借り上げて、賃貸として運用。
入居者がいない空室時でも、毎月賃料を受け取ることができます。
また、皆さまの大切な我が家をケアするパートナーとして、入居者トラブルにも責任を持って対応しています。

JTIは非営利の公的機関であり、運営には国の基金が設定されています。

カウンセリングやご相談は無料。資格を持ったスタッフが、皆さまの家についてしっかりとお話をうかがいます。

制度についての詳しい情報は、移住・住みかえ支援機構のサイトをご覧ください。

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大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ

大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ

土 6:25~6:50

楽しいセカンドライフを送るためのご提案などがたっぷり! 金融・住宅のプロフェッショナル大垣尚司と、フリープロデューサー残間里江子が 大人の目線でお届けします。…

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