「オミクロン株、今、わかっていることは?」~12月2日(木) 斉藤一美ニュースワイドSAKIDORI!

「オミクロン株、今、わかっていることは?」~12月2日(木) 斉藤一美ニュースワイドSAKIDORI!

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新型コロナウイルスの新たな変異株、オミクロン株の感染拡大への懸念が世界中で高まっている。
「ニュースサキドリ・前半」(午後3時40分~)では、「ウイルス学」が専門で、20年以上前からコロナウイルスの研究に携わっている、東京農工大学農学部附属感染症未来疫学研究センターのセンター長で教授の、水谷哲也さんに電話を繋ぎ、オミクロン株や「ゲノム解析」などについて話を聞いた。

オミクロン株は、ウイルスの感染に関わる「スパイクたんぱく質」におよそ30か所の変異があり、これまでの変異株が10か所だったのに比べ、3倍以上と変異が多くなっている。

「感染が広がりやすくなる」、「感染力が強まる」、「ワクチンや治療薬の効果が弱まる」と言われているが、これらの可能性についてどうみているのか?
― これらの可能性については、ワクチンを接種して中和抗体を持った人の血清を使って、ウイルスを防御できるかということを確認して初めて分かること。ただ、アルファ株、ベータ株、デルタ株の変異の悪いところをオミクロン株が一気にもらってきているような状況のため、現時点では楽観視するべきではない。

日本で初めてオミクロン株の感染が確認されたナミビア人の外交官の男性は、国立感染症研究所で「ゲノム解析」を行った結果、感染が判明した。この「ゲノム解析」とはどのような検査なのか?
― PCR検査の”陽性”では変異株かどうかはわからない(=新型コロナウイルスの「陽性である」ことがわかるだけ)。「ゲノム解析」とは、”陽性”の感染者がどういう株を持っているのかわからないので、全部のゲノムを読んでいく=解読していくという作業に入るということ。新型コロナウイルスのゲノムはおよそ3万位あり、専門の機械で全部を解読していくと、「ここに変異が入っている」、「あそこに変異が入っている」ということが分かる。それをオミクロン株と比較して、同じところに変異が入っていれば、感染者のウイルスがオミクロン株だということが分かることになる。

「ゲノム解析」だけでも、その検査には、24時間位機械を回した後、コンピューター上での解析があるるため、最短でも2日間位は必要だという。そして、これからの検査については、全体(=陰性か陽性か)が検出できるものとオミクロン株だけを検出できるもの、2つを用意しておくことで、すぐにオミクロン株の感染であることがわかるように進んでいく、とその方向性を見通した。

今月に入り、飲食店を利用する人数も4人から8人に緩和され、年末に向けて、去年叶わなかった忘年会やクリスマスなどで多くの人が移動することになる。現段階では分かっていないことが多い、オミクロン株だが、その特異性が判明するまでは、最低限これまでの感染対策を続けていく必要があることは肝に銘じたい。

『斉藤一美ニュースワイドSAKIDORI』は平日午後3時30分~5時50分、文化放送(AM1134KHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。
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